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札幌市は子どもを育てづらい?市民のアンケート結果で判明…市は過去最大の予算案で高校3年生まで医療費無償へ

北海道放送 / 2025年1月27日 20時17分

新幹線の開業時期が見通せず、物価高騰で再開発の先行きも不透明さを増す中、札幌の未来をどう描いているのか。

秋元市長の「胸の内」を来年度予算の使い道から探ります。

札幌市・秋元克広市長
「予算規模は約1兆2,666億円。前年度と比較して2.0%増、過去最大の予算規模となりました」

1月27日、2025年度予算案を発表した札幌市の秋元市長。

「過去最大の予算」と力を込めた表情には、決意と緊張が混じります。

最重要課題の1つとして掲げたのが…。

高橋智也 記者
「子どもや子育て世代への、支援拡充や見守り体制の整備などに約93億円を計上しました。目玉は、子どもの医療費無償の対象を高校3年生までに広げる施策です」

市長にとって耳を塞ぎたくなるデータがあります。

札幌市が2022年度に実施した子育て世代対象の市民アンケートで、回答者の半数が「札幌は子どもを生み育てやすい環境と思わない」と答えたのです。

「子育て支援サービスの不足」や、「子どもの医療費負担が大きい」などが理由です。

高校生の保護者
「インフルエンザなどには感染するので、(医療費は)なるべく、かからないほうがいい。私立高や通信制の生徒も無償化にしてもらえればいい」

生後7か月の子どもの保護者
「教育費だったり、医療費だったり、なるべくかからない支援をしてほしい」

幅広い世代を診察するクリニックの医師は、高校生あたりから医療機関にかからなかったり、薬の処方を断わったりする患者もいると話します。

とよひら公園内科クリニック 藤本晶子院長
「中学生までかからなかった医療費がかかるようになり、“受診控え”や高額治療に抵抗を感じる人もいる。お金を気にせずに治療ができるのは、いいことではないか」

そして、もうひとつ喫緊の課題が。

高橋智也 記者
「バスの運転手を募るため、外国人人材の受け入れや、バスに代わる交通機関への支援に23億円が計上されました」

深刻化するバス運転手不足。

路線の廃止や減便で、通学や通勤が不便になるなど影響が出ています。

大学生
「タクシーの運転手を仮で雇って、一時的に応用できないのかなと思う」

70代
「地下鉄からバスに乗り換えるときに、便数がなくて不便を感じている。運転手の給料もアップしなければ、なかなか集まりにくいと思う」

その賃上げにも欠かせない、経済活性化。

千歳市の次世代半導体メーカー「ラピダス」の試作ラインが稼働する2025年、札幌市は国内外の関連企業を誘致することで、経済効果を呼び込み、まちづくりへの原資へつなげたい狙いです。

札幌市政 泉優紀子 記者
「1.02。これは札幌市が発表した最新の合計特殊出生率で、全国の政令指定都市の中で最下位クラスの数字です。人口減少が始まり、いま求められているのは持続可能なまちづくりです」

「来年度予算案では、敬老パスの見直し改修費も盛り込まれました。また、GXや企業誘致などを新たな経済の起爆剤としたい一方で、市民から見えやすい暮らしやすさにつながる施策に、てこいれをした印象を受けました。秋元市長の任期は来年度で折り返しとなります」

▼札幌市の2026年度予算案…1兆2666億円(一般会計)

・子ども医療費助成…約69億円
・路線バス関連…約23億円
・再開発…約100億円
・「健康アプリ」開発など…約3億円
・スポーツ振興…約2.6億円
・除雪…約280億円

混乱が続いた「敬老パス」については、2025年度は現在の制度維持のために約68億円、また「健康アプリ」開発に約3億円をあて、2026年度からの新たな制度へ動き始めました。

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