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なぜ巨額の被害が相次ぐのか「ほとんどの貯金を使ってしまった…」SNS型投資詐欺に遭い、老後の資金2940万円を失った60代男性が語った被害の実態

北海道放送 / 2025年1月29日 19時47分

連日、ニュースで被害額の大きさをお伝えしているのがSNS型の投資詐欺事件です。

どんな手口に、なぜ騙されてしまうのか、札幌の被害者が語りました。

札幌南警察署で、投資詐欺の恐ろしさを札幌に暮らす60代の男性が語りました。

被害にあった60代男性
「今はやりくりを考えています。ショックは大きいですよ。ほとんどの貯金を使ってしまったので残念ですね」

被害を受けたのは、老後のための資金、約3000万円です。

きっかけは、去年12月28日。インターネットの語学サイトで出会った女性でした。

女性は、中国出身で“韓国籍”だと名乗りました。

雑談を繰り返す中で、女性から「簡単だからやってみない?」と持ち掛けかけられたのが、ネットの商品売買の儲け話でした。

その直後、サイトのURLが送られてきました。

被害にあった60代男性
「ちょっとぐらい遊んでみようかなって思って、自分のほうからインターネットのサイトに遊びに行った」

女性が持ち掛けてきた“ネットの商品売買”とは、こんな仕組みだったといいます。

まず『高級ブランドのバッグ』や『ほ乳瓶』などを、販売価格の15パーセント引きで商品を仕入れます。

そして、それらの商品が、販売価格で売れると、仕入れた人に、15パーセント分の儲けが出るというものです。

そもそも被害に遭った男性は、どうして信用してしまったのでしょうか。

相手の話を信じてしまったきっかけは“3万ドルの利益があった”と伝えられた際、男性の口座に100ドル=約1万5000円が、実際に振り込まれたためでした。

被害にあった60代男性
「途中で“100ドルおろせますか?”と訊いたら“おろせる”というので100ドルだけおろしてみたんです」

「1か月で3万ドル、4万ドルの利益が入ってきたら、それは楽だよね(と思った)」

結局、去年12月29日から今月14日までのわずか17日間で、男性は約2940万円を、相手から指定された口座に振り込んでしまったのです。

男性が、銀行の窓口に引き出し限度額の解除を相談したところ、不審に思った銀行の職員が、警察に通報し、事件が発覚しました。

被害にあった60代男性
「すべて払わないほうがいいっていう判断もあったが、自分では“取り戻したい”という判断もあったので…。これは大変なことをしてしまったとすごく反省している」

札幌南警察署 生活安全課長 前田憲明警部
「SNSを通じて出会って、お金儲けの話は詐欺だと疑って欲しい」

被害にあった男性は「実際に巻き込まれるまで、自分が被害に遭うとは思わなかった」と振り返りました。

森田絹子キャスター)
警察によると、SNS型投資詐欺による北海道内の被害額は、2021年は約700万円でした。

それが、去年は約19億3600万円と、276倍に急増しています。

堀啓知キャスター)
警察は「怪しいと思ったら1人で判断せずに、周りに相談して」と注意を呼びかけています。

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