混雑、迷惑…困惑する有名観光地 人気スポット『クリスマスツリーの木』周辺はついに駐車禁止の規制エリアに…深刻さを増すオーバーツーリズム問題 北海道美瑛町

警備員「Stop！ Stop！ Just a moment！（止まって！ちょっと待って！）」

観光客で混雑する狭い道路。すき間を縫うように、大型の観光バスが通り抜けようとしています。

30日午前、北海道上川地方の美瑛町の観光スポット『クリスマスツリーの木』です。

警備員「トラクター通るよ！」

海外からの観光客で連日混雑し、レンタカーの路上駐車や大型車の通行が、住民の生活や農作業の妨げになっています。

田中未来記者
「午前9時を過ぎました。いま仮設の道路標識が立てられ、こちらの道は駐車禁止になりました」

美瑛町などの要請を受け警察は、30日から周辺の道路、およそ300メートルを駐車禁止に規制しました。

美瑛町 商工観光交流課 成瀬弘記さん

「道路の真ん中で写真を撮る人が多い。クラクションを鳴らしても、よけてくれなかったり、嫌な顔をされたり…」

駐車禁止は、観光客で混雑する2月21日までの毎日、午前9時から午後5時までですが…。

田中未来記者
「規制から2時間半が過ぎました。きょう30日から駐車禁止になった場所ですが、このように多くの車が止まっている状況です」

規制は“駐車禁止”なので、車内に運転手がいる“停車”はできますが、標識の意味を知らない外国人観光客は―。

（Ｑ.駐車禁止の規制エリアと知っていたか？）
韓国から来た男性
「規制を知らなかった。すぐに移動させる」

韓国から来た男女
「知らなかった。もっと規制が変わったことを周知してほしい」

国内有数の観光地、美瑛町。

国内外から年間240万人近くの観光客が訪れますが、無断で農地に立ち入ったり、ごみをポイ捨てしたりするなど、行き過ぎた行動が、地域に悪影響を与える“オーバーツーリズム”が問題になっています。

14日には、地権者らが、観光客に人気のあるシラカバ並木を伐採するなど住民の不満が募っていて、今回の規制は“観光のマチ”として苦渋の決断です。

美瑛町 商工観光交流課 成瀬弘記さん
「観光客には、たくさん来てほしいが、美瑛町での観光マナーがある。それを守って、気持ちよく観光してもらって、地域住民の生活も守っていきたい」

周辺では、春に向けた農作業も始まるため、美瑛町は警備員による監視も続ける方針です。