結婚が健康に良い理由は......既婚者の心臓病・脳卒中の発症&死亡リスクが減少

ヘルスプレス / 2018年8月5日 8時0分

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既婚者は「心血管疾患」の発症リスク&死亡リスクが減る

 結婚は健康に良い影響を与えることがさまざまな研究で明らかにされているが、心筋梗塞や脳卒中といった「心血管疾患」を予防する効果を示唆する研究結果が『Heart』(6月19日オンライン版)に発表された。

 今回の論文では、欧米やアジア、中東などさまざまな国や地域の男女を対象とした34件の研究をメタ解析した結果、「結婚している人」と比べて「結婚歴がない人」や「離婚または死別により独身となった人」では、心血管疾患を発症するリスクが約1.4倍で、心筋梗塞や脳卒中による死亡リスクも約1.4~1.5倍であることが分かったという。

 これまでも当サイトでは、以下のような記事を配信してきた。

●既婚者より「未婚者」「死別者」は認知症のリスクが高く、「離婚者」は脳卒中・肝硬変リスクが高い

●身寄りがいない独身男性が「脳卒中」になると......「介護施設」に入る確率は約3倍!

 上記の研究に加え、今回の研究で「結婚は健康に良い影響を与える」ことの裏付けが、またひとつ増えたことになるだろう。

死亡リスクが冠動脈疾患で43%、脳卒中で55%

 この研究は、英キール大学プライマリケア・健康科学研究所のMamas Mamas氏らが実施したものだ。

 同氏らは今回、1963~2015年に発表された「婚姻状況と心血管疾患リスクとの関連」を評価した34件の研究を抽出し、これらの研究に参加した、アジアや欧州、中東、北米、スカンジナビアにおける42~77歳の男女計200万人超のデータを用いてメタ解析を実施した。

 その結果、「結婚している人」と比べ、「結婚歴がない人」や「離婚または死別により独身となった人」では心血管疾患リスクは42%、冠動脈疾患リスクは16%高く、冠動脈疾患による死亡リスクは43%、脳卒中による死亡リスクは55%高いことが明らかになった。

 また、「男女ともに離婚した人」は冠動脈疾患リスクが35%高く、「配偶者と死別した人」は脳卒中リスクが16%高いことも分かった。

 さらに、脳卒中後に死亡するリスクに「結婚している人」と「独身の人」で差は見られなかったが、心筋梗塞後に死亡するリスクは、「結婚している人」に比べて「独身の人」で42%高かった。

結婚が健康に有益である理由は?

 この研究結果についてMamas氏らは「婚姻状況が心臓病や脳卒中、これらの疾患による死亡の独立したリスク因子である可能性が示された」と話している。

 ただし、この研究は因果関係を証明したものではなく、「今後は婚姻状況が不健康な生活習慣や心血管リスク因子の代替マーカーとなるのか、婚姻状況そのものがリスク因子であるのかを検討する必要がある」と付け加えている。

 なお、結婚が健康に有益である理由にはさまざまな説がある。

 たとえば、健康面で問題が生じた場合、配偶者がいると早期発見や早期治療につながりやすい。

 また、結婚している人は積極的に治療を受け、服薬アドヒアランス(遵守)に優れるほか、経済的に安定し、心身が健康で幸福な状態(ウェルビーイング)にある可能性が高く、交友関係が広い人が多いと考えられ、これらが結果的に健康に好ましい効果をもたらしている可能性があるという。
(文=編集部)

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