ドラマ『科捜研の女』も真っ青? 唾液・血液のDNAで「犯人の年齢」が判明!

ヘルスプレス / 2018年8月6日 8時0分

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犯罪現場に残したタバコの吸い殻からも犯人の年齢が推定可能(depositphotos.com)

 京都府警科学捜査研究所の浜野悠也専門研究員(31)は、殺人事件などの犯罪現場に遺留した唾液や血液のDNAを解析し、半日ほどの短時間で真犯人の年齢を推定できる新手法を編み出した(毎日新聞2018年5月20日)。

 科捜研によれば、DNAによる年齢推定は大学や研究機関で研究されてきたが、解析に約1~2週間もかかり、1回当たり数10万円の高コストが発生。刑事事件は鑑定試料が多く、鑑定の迅速さと精確さが求められるため、捜査現場で活用されていない。

 だが新手法なら、推定年齢の平均誤差は上下約6歳、高齢者で最大約20歳。解析するDNAの塩基配列を増やせば、誤差が小さくなる。さらに1回当たり数百円程度の低コスト。初動捜査で犯人像を絞り込めれば、ホシの特定につながり、冤罪の防止にも役立つだろう。

犯罪現場に残したタバコの吸い殻からも推定可能

 2017年9月5日、浜野専門研究員は、英科学誌『Scientific Reports 』に「メチル化に敏感な『高分解能融解法』を用いた唾液試料の法医学年齢予測:身元確認のための2者間血縁鑑定ツールの開発」という長いタイトルの論文を発表した。

 DNAは、複雑な生体を形成する「メチル化」という仕組みを持っている。DNAによく見られる「メチル化」は、CG(シトシン、グアニン)の塩基配列が集中する「CpG アイランド」と呼ぶ塩基配列の炭素原子にメチル基(-CH3)が付く化学反応をいう。つまり、DNAの「メチル化」と呼ぶ化学反応が起きると、年齢によってDNAの「CpG アイランド」の塩基配列にメチル化率の違い生じる。

 浜野専門研究員は、DNAが人か動物かを見分ける時に使う『高分解能融解法』という技術を活用し、DNAの「CpG アイランド」の構造を高温下で分離し、簡便にメチル化率の違いを測定することに成功した。

 やや難解な手法だが、真犯人が犯罪現場に残したタバコの吸い殻に付着した唾液や血液のサンプルを分析するだけで、真犯人の年齢を推定できるのだ。固唾を呑むような唐突な手法だが、一旦吐いた唾は呑めないし、タバコのフィルターについた唾液は誰も消せない。遺留している血液にも応用できるのは心強い。

 ちなみに、浜野専門研究員は広島県出身。テレビドラマ「科捜研の女」を見て科学捜査に興味を抱き、東京大学大学院を修了後、2012年に京都府警に採用された。

 科捜研では主にDNA型鑑定に携わりつつ、2013年から勤務時間外に京都大学大学院・法医学講座で研究を続け、今年3月に京都大学の医学博士号を取得。保護した野生動物の年齢を解析する共同研究にも携わっている。

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