世界初! 3Dプリンターで人工骨~欠損した骨を再生! オーダーメード医療の追い風に

ヘルスプレス / 2018年8月29日 8時0分

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3Dプリンターは骨の再生医療の救世主?(depositphotos.com)

 3Dプリンターによって骨の欠損部位の形状を0.1mm単位の高精度で再現、高い強度と骨置換性を持つ人工骨(CT-Bone)を開発!人間の骨のように、元の骨にくっつき同化して骨代謝に取り込まれる。

 こんな治療方法が厚労省の製造販売承認を取得、5月から販売スタートしている。

 2018年4月14日、理化学研究所(理研)光量子工学研究センター画像情報処理研究チーム(大山慎太郎客員研究員ほか)と株式会社リコー(渡邉政樹スペシャリスト)の共同研究グループは、3Dプリンターによって骨の欠損部の形状を0.1mm単位の高精度で再現し、高い強度と骨置換性を持つ人工骨(CT-Bone)を製造する新手法を開発した。

 人工骨(CT-Bone)は、骨疾患の早期治療や患者の生活の質(QOL)向上に役立つと期待される。4月17日には厚労省の製造販売の承認を取得し、5月から販売をスタートした(http://www.riken.jp/pr/press/2018/20180414_1/)。

 共同研究グループによれば、人工骨(CT-Bone)は、BJ(Binder Jetting)方式をベースに、α-リン酸三カルシウムの粉末とエチドロン酸などの新しい凝固インクを用いた粉末積層装置を活用した人工骨の3次元造形手法だ。3Dプリントしてすぐに使え、高強度で高い骨置換性を持つ3次元造形人工骨を造形できるのが最大のメリットだ。

 共同研究グループは、培養環境下で培養細胞の増殖率と動物への移植組織の変化を観察し、作製した人工骨(CT-Bone)の生体適合性を解析した。

 その結果、培養細胞の増殖率は良好で、移植組織は骨組織に速やかに入れ替わり、骨本来が持つリモデリング機能を阻害せず、安全性・融合性が高い人工骨(CT-Bone)を再生できた。つまり、人工骨(CT-Bone)は、ヒトの骨のように元の骨に癒着・同化し、イキイキと新たな骨代謝を始めたのだ。

患者の骨とスピーディに癒合。感染症や合併症のリスクなし

 整形外科手術や頭頚部手術などで行う欠損骨への治療は、自家骨、他家骨、異種骨、人工骨のいずれかを欠損部へ移植する。

 欧米はボーンバンクからの他家骨移植が中心だが、日本は自家骨移植が主流。自家骨移植は、患者自身の足の骨や腰の骨を外科的に摘出・移植するため、自骨と癒合しやすいが、摘出時に患者の骨欠損が避けられない。

 また、人工骨は、製造工程で焼結するので、生理活性が失われやすく、自骨と癒合しにくく、表皮から離脱・遊離し、露出するリスクを伴う。

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