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巨人の「救世主」ヘルナンデスの師匠はMLB2407安打、02年ア・リーグMVPで母国ドミニカ共和国の「英雄」

スポーツ報知 / 2024年6月18日 5時0分

15日、日本ハム戦の試合前練習で集中した表情を見せるヘルナンデス(カメラ・相川 和寛)

 巨人のエリエ・ヘルナンデス外野手(29)が17日、スポーツ報知のインタビューに応じた。交流戦からデビューし、18試合で打率3割4分2厘、3本塁打、10打点と得点力不足だった打線の「救世主」となった新助っ人の原点はMLBの2002年ア・リーグMVPで通算2407安打を誇るミゲル・テハダ(50)の教えだった。また、日本挑戦を後押しした婚約者の存在も明かし、ジャパニーズドリームをつかむことを誓った。リーグ戦は21日のヤクルト戦(東京D)から再開する。(取材・構成=内田 拓希)

 これぞ助っ人だ。ヘルナンデスは5月10日に巨人入りが発表され、同28日のソフトバンク戦(東京D)から1軍に昇格した。交流戦全18試合で先発出場し、猛打賞4度をマークするなど打率はチームトップの3割4分2厘。長嶋茂雄終身名誉監督(88)=報知新聞社客員=からも「救世主がやってきた」と絶賛された。

 「日本に来て時間もたってない中で、そういうふうに言ってもらっているのは本当にうれしいですし光栄です。どんな場所でも状況でも、ポジティブなものをチームに与えられるようにやっています」

 陽気なドミニカン。来日後も同僚に積極的に話しかけ、チームに溶け込んだ。愛称の「エリ」もすっかり浸透し、今では長野、大城卓らと通訳を介さずに冗談を言い合う。すし、焼き肉などを好み、東京Dまで地下鉄で通うなど日本文化にも興味津々だ。

 「ゆっくりしゃべったら英語もなんとなく分かってくれるので。分かりそうな英語を選んでコミュニケーションをとっています。チームメートも歓迎してくれてありがたい」

 野球人生は6歳、ドミニカ共和国のリトルリーグで始まった。「神童」として名をはせ、12歳からは「養成プログラム」の一員としてメジャー入りを目指した。

 「月~金で4~5時間休みなく練習するんですが、努力をすればそれだけ結果が出るということを教えられて。自分のペースを崩さずやっていくことの大事さを知りました」

 11年に17歳でロイヤルズとマイナー契約。そこで出会った同郷の「恩師」の存在が今も心の支えになっている。

 「プロで一番最初に出会った偉大な選手が、ミゲル・テハダ。自分は最初にカンザスシティー(ロイヤルズ)と契約したんですけど、1か月ぐらい一緒に練習して、打撃について教えてもらった。そもそも野球ってどういうものという話を一緒に練習しながら聞くことができて。今では本当にいい友人関係です」

 5月30日のソフトバンク戦(東京D)では東浜のシンカーを狙い打ちして来日初本塁打を放つなど、初対戦の相手にも抜群の読みを発揮している。投手心理に基づく駆け引きも、MLB通算2407安打、307本塁打を誇るテハダに教わったものだったという。

 「カウントによって『どういう時にどういう球を狙うのか』、『どういう時に強いスイングした方がいいのか』を教えてもらいました。自分の打撃をすることも大事ですが、時には相手投手の立場、配球を考えてスイングする。投手とのやり取りですね。プロとしてのキャリアの中ですごく、貴重な助言でした。『練習から打席に立ったらポジティブな結果をイメージして試合に臨むのが大事だよ』っていうのも彼から教えてもらいました。今も実行し続けています」

 チームは交流戦を8勝9敗1分けで乗り切り、セ・リーグでは首位・広島と3ゲーム差の2位(17日時点)。目標はもちろん「チャンスをもらって感謝」という巨人を4年ぶりのV奪回に導くこと。まさに「個人より巨人」だ。その上で、自身がその輪の中心にいることがジャパニーズドリームにつながる。

 「一スイング、一球一球に全力を尽くして目の前の試合に勝つ。過去に起きたことは変えられないので、ポジティブな精神で球場に来て勝つ。個人の目標より、チームに必要なことを考えてしっかりプレーする。目標はプレーオフに行って優勝することなので。それに近づけるように全力を尽くします」

 日本で最高のスタートを切ったヘルナンデスだが、マイナーでは結果を残し続けながらも昇格のチャンスに恵まれず、メジャー経験は22年レンジャーズ時代の14試合のみだった。「2~3年前」から日本でのプレーに興味を持っていたが背中を押したのは、コロンビア在住の婚約者・アドリアーナさんだった。

 「異国での挑戦になるけど頑張ってほしいと。(巨人入りが)決まった時は非常に喜んでくれました。どういう選択をしても自分のことは常に応援してくれています」

 スマホのビデオ通話で毎日連絡し、現在の大活躍も「本当に喜んでくれている」。6月下旬に来日する予定だというパートナーの存在が、原動力になっている。

 「何より早く自分がプレーしているところを見てもらいたい。コロンビアとドミニカで野球をしたことがあるんですけど、彼女にプレーを見てもらったのはそれが最後なので」

 昨年9月に代理人を通じて「日本のジャイアンツから話が来てるよ」と連絡を受けて開けたNPB挑戦の道。吉村編成本部長ら巨人関係者への感謝も口にした。

 「日本に行くにあたっての不安、例えばヒゲをそらなきゃいけないとか、いろいろなルールを聞いていた。そういう面の質問とか、全て丁寧に答えてくださった。非常に歓迎してくださってたので、うれしかったし感謝しています」

 ◆エリエ・ヘルナンデス(Elier Hernandez)1994年11月21日、ドミニカ共和国出身。29歳。2011年ロイヤルズと契約。12年からマイナーでプレー。22年にレンジャーズでメジャーデビュー。メジャー通算14試合、打率1割8分2厘、0本塁打、3打点。昨年は3Aで記録した165安打、二塁打36本はともにリーグ最多。185センチ、89キロ。右投右打。推定年俸5000万円。

 ◆ミゲル・テハダ(Miguel Tejada)通算2407安打を誇る2000年代のメジャーを代表する名遊撃手。1974年5月25日、ドミニカ共和国生まれ。50歳。93年にアスレチックスと契約し、97年にメジャーデビュー。2004年からオリオールズ。アストロズなどでもプレーした。広角打法を武器に通算2171試合で打率2割8分5厘、307本塁打、1302打点。右投右打。

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