村上和成、間下隼人との決戦へ「猪木イズム」を激白「猪木さんの言葉で“本能の戦い”は未だに忘れることはない」…6・20後楽園
スポーツ報知 / 2024年6月19日 7時46分
初代タイガーマスクの佐山サトルが主宰する「ストロングスタイルプロレス」(SSPW)は20日に後楽園ホールで「初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.29」を開催する。
メインイベントは、レジェンド王者の間下隼人に“平成のテロリスト”村上和成が挑戦する「レジェンド選手権」。決戦を前に村上がインタビューに応じ、タイトル戦だけでなくプロレスの師匠であるアントニオ猪木さん、佐山への思いを赤裸々に明かした。
佐山が主宰するSSPW。村上が参戦する意味は、佐山の存在だった。
「僕が本当にこの業界に入ってくる道しるべとなったのは佐山さんで、猪木さんっていうのは僕の最終的な背中を押してくれた人。道を引いてくれた人間っていうのは佐山さんでしかなくて。格闘技をやり始めて、サンドバッグとかミットを教えてもらったのが佐山さんですし、それはもう僕の中ではすごく縁を感じています」
佐山との縁をこう明かす。
「僕が格闘技をやります、自分の道場を作りますと言ったときに、いの一番に佐山さんが僕に連絡をしてくださって。そのまま猪木事務所に呼ばれて『2年前から言ってた選手は彼ですよ』って猪木さんに僕のことを紹介してくれたんです。僕の中ではプロレスというカテゴリーは全く知識がゼロで、猪木さんに普通に挨拶しましたけどよくわかっておらず。でもその1週間か10日ぐらい経って、突然『ロスにおーちゃん(小川直也)がいるから一緒に練習してもらいたい』と。小川さんっていうのは柔道をやっていた僕の中でスーパースターですから、その方と一緒に練習ができるって、本当に柔道界にいたらあり得ない話ですよ。僕の中でもこれほどラッキーなことないなって思い、そのままロスに行きました。それを全てお膳立てして導いてくださったのは佐山さんなんです。そこに関してはすごく、感謝というか、僕の中で佐山さんの団体というところに関してはすごく重きを置いています」
プロレスラーとしての「イズム」を教えられたのが猪木さんだった。
「全てがその1戦で『僕のプロレス人生が終わるかもしれない』っていう思いでリングに上がるので、絶対に悔いを残したくない、もう絶対相手を潰すということしか考えてなくて。僕の育った環境はプロレスを何とも思ってない状態から入ってきてるんで、そこで全てをイチから学んできた。そこで感じたこと思ったこと全てが、僕にとってはプロレス人生の集大成だなって。僕の中でただ単に、リングに行ったら何をするの?それは相手をぶちのめすしかない。猪木さんの言葉で“本能の戦い”っていうのは未だに忘れることはない。それを忘れ、捨てたときは僕はもうリングを降りる時だといつも思ってます」
さらに続けた。
「自分の理想像や背負ってるものとか、自分で覚悟を決めたものに対して裏切りたくはない。1回嘘をついてしまうと今までの全てのことが終わりになってしまう。僕の中でいつもそれは持ってるものであり、それと戦ってる。やっぱりお客さんとも戦わなければいけないし、でも僕は本能のままこれからも戦っていくし、それしかないんで。それを佐山さんが『村上ちゃん良いよね』って言ってくれれば良いわけで。僕もやっぱり猪木さんにも何度も言ったことあるんですけど、『プロレスを全く教えるんじゃない』という指令のもとで、受け身を取ったこともなければ、ロープワークをしたこともなければ、ロックアップをする技術すら教えてもらっていない。プロレスの中に出てくる全てのプロレスの武器というものを、自分を守るための武器であり相手を倒すための武器でもあるものを全て教えてもらわずリングに上がって、本当に何年も何十年も経ってからこれはまずいなと。ケガがやっぱり多いわけですよね。『猪木会長、これをやるために本能のまま戦ってきましたけど、教えるななんて言われたことによって、僕はすごい大怪我をいっぱいしてるんですけど』って言ったら笑ってましたけど、僕の中では笑い事ではないですよ(笑)。でも『お前というものを確立したからいいじゃねぇか』って。それはそうなんですけど、やっぱり自分の中でこれからっていう時とか、やっぱりどうしてもケガをする。それも大ケガをするんで、大一番になったときにみんなが僕を倒しに来るわけなんで持ってる技術力というか、プロレス技術の中で僕の知らないことがいっぱいある中で、僕はどう対処していけばいいのか。少ない引き出しの中で戦うためには本能だけでは、なかなかできないこともいっぱいあったんです。でも猪木会長は『それでお前はな~』なんて言って結局その答えも出ずのまま笑って『美味いもん食べようや』って…なんてことが二、三度ありました。でも僕の中でやっぱりそれを良しとするというか、全部責任は僕にあるんで、だから僕の中でこういうやつにはこうだなとか、結局僕が受けたものに関して答えを解いていく。それが集まったものが後々の答え。ある意味貫いてきたことで今の僕という人間が出来上がってるんで。ぶっちゃけ誰も真似できないと思うんで本当に。やっぱり佐山さんの後ろに猪木会長いますしそこの精神は受け継いでるつもりです。本当に僕はありがたいことに少数精鋭の中でマンツーマンで話をしたりとか、こうだああだとか、セオリーを聞く機会をすごくいただいてこれた経験がある。皆さんは聞けないような話だったり想いだったり、逆に言えば佐山さんの弱い面だったり、愚痴じゃないですけどそういうこともボロボロと聞く機会があったので、こういうスーパースターでもそういう悩みがあるんだと。逆に言えばみんな持っていて、お客さんも持ってるわけです。プロレスで何か返すっていう時に『お前なに返すんだよ?』って言われると、お客さんに必ず何かチケット代に代わるものとして返せるのは僕の感覚としては怒りなのかなといつも思ってて。あの野郎この野郎と、それでもう僕はいい、僕の役目だと思ってる。それは僕の信念だと思ってる」
村上とってすべての試合が毎回、未知の戦いの挑戦だ。
「いつも猪木さんはお客さんと戦ってるのかって言われてましたけど、僕の中ではプラス自分っていうのがいて、なのでお客さんと相手と自分という人間と戦わなきゃいけない。僕の中で1人増えてるんですよ、自分という人間がいるんで。人間てやっぱり弱いとこ強いとこあるんで、気持ち的にも。『俺これだけやったら大丈夫だよ。でももうちょっとかな?』っていうその2人が絶対いるんですよ。そこのところとも戦わなければいけない。それぐらいやっぱりしのぎを削るものであるので。やっぱ反省もしますし、その分リングに対する気持ちというのは本当に昔と比べもんにならないぐらい今はあるので。だからいつもその思いを持てることには感謝します」
そして王者・間下へ試合のテーマを投げかけた。
「今回の試合でこいつが勝つか負けるかというよりも、本当に佐山精神をどこまでこいつが心底リングで伝えられるのか?どこまで持っているのかっていうところで、お客さんに間下がトップだなと思わせるチャンスだと思うんですよ。ま、僕は絶対負けませんけどね。絶対潰しますけど。と言っても、こいつとは勝ち負けを超えた勝負はできると思います。僕はその勝負を知っています。僕が佐山さんから感じて受けた物というものを、こいつにぶち込もうと思ってます。お前は何を佐山さんから受け継いできたのかっていう、その見えない芯の部分で魂をぶつけ合って。そうすることでどんな音が響くのかなと。それがとてつもなく汚い音になるかもしれないし、とてつもなく綺麗な音になるかもしれないし、それは僕らも感じてみないとわからないですけど。やっぱりそれを聞いたお客さんがどう反応するのか…間違いなくどこでも、今までなかなか聞いたことない、多分ストロングでも聞いたことない音は聞けると思います。その自信はあるし、それぐらいの想いと覚悟でリング上がります」
試合は佐山精神のぶつかりあいになる。
「その脇には新間(寿)さんもいます。新間さんも新日本ではよくお世話になりました。未だに『おお村上!』って声かけてくれますけど、当時ビッグマウスを立ち上げて東京ドームに乗り込んだときに、全部入口を封鎖されたんですよ。チケット持ってんのに駄目だと。したら新間さんが、『こいつら顔パスだろう』って!警備員は『いやパスは一応必要です』て言ったんですね。チケット持ってても入れなかった僕らに『入るとしたらパスは必要です』って。でも『こいつらは顔パスだろ、パス持ってんだよ!』って言ってそのまま僕ら入れちゃうんですよ。それができるのは新間さんだけです。やっぱそういうところでも僕は何か違った感じですけど縁を感じていて。今よく昭和だとか平成だとか令和だとかね、時代がどうのこうのって言うけど、時代は確かに変わるけど、根本精神変わっちゃいけないだろっていつも思ってて。その精神を持ってる人間たちや、意識を共有してくれた人たちがいるのがこのストロングスタイルプロレス。今も佐山さんと新間さんが一緒にいたりとか、そういうところを考えると僕の中ではすごく他とはちょっと違う思いがあんのかなっていつも思ってます」
◆6・20後楽園ホール全対戦カード
▼メインイベント レジェンド選手権60分1本勝負
王者・間下隼人 vs 挑戦者・村上和成
▼セミファイナル タッグマッチ45分1本勝負
タイガー・クイーン、青木いつ希 vs Sareee、関口翔
▼6人タッグマッチ30分1本勝負
スーパー・タイガー、船木誠勝、関本大介 vs ダーク・ウルフ、将軍岡本、関根“シュレック”秀樹
▼3WAYマッチ30分1本勝負
ジャガー横田 vs ダーク・チーター vs ダーク・ウナギ
▼タッグマッチ30分1本勝負
ザ・グレート・サスケ、日高郁人 vs アンディー・ウー、阿部史典
▼シングルマッチ30分1本勝負
ダーク・タイガー vs 藪下めぐみ
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