藤井聡太叡王、八冠維持か陥落か「全力を尽くして熱戦にしたい」叡王戦第５局前夜祭では笑顔も

叡王戦第５局の前夜祭に臨んだ藤井聡太叡王（右）と伊藤匠七段（カメラ・瀬戸　花音）

　将棋の藤井聡太叡王（２１）＝竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖＝が八冠堅持を懸け、挑戦者の伊藤匠七段（２１）と戦う第９期叡王戦五番勝負第５局が２０日、甲府市「常磐ホテル」で指される。両者は１９日、前日検分と１５０人が出席した前夜祭に臨んだ。

　藤井は初タイトル獲得からここまでタイトル戦での敗退は一度もなく、２２連覇中。今シリーズはここまで２勝２敗でフルセットにもつれこんでおり、本局に負ければ七冠に後退することとなる。

　当日は緊張感あふれる戦いになるのは必至。それでも、藤井は関係者のあいさつ中に笑顔を見せるなど、いつも通りのリラックスした姿も見せた。あいさつでは「明日は大きな対局になりますが、全力を尽くして熱戦にしたい」と力を込めた。

　伊藤も「明日は大変大きな一局になりまして、緊張感もあるが、しっかりと集中して臨んで、よい将棋をお見せできるように頑張りたい」と意気込んだ。

　小学生の頃から戦いを続けている同学年の藤井と伊藤。藤井が王者の強さを見せつけ八冠堅持となるか、伊藤が初タイトル獲得で藤井時代に風穴を開けるか。第５局の先後は振り駒で決まる。午前９時、運命の一局が始まる。（瀬戸　花音）