高橋洋子、池袋アニメーションフィルの演奏会出演を辞退、運営側の生成ＡＩ使用が理由

高橋洋子

　「残酷な天使のテーゼ」などのヒット曲で知られる歌手の高橋洋子が、アニメ音楽を専門に東京・池袋を拠点に活動するオーケストラ「池袋アニメーションフィルハーモニー」の第一回演奏会（７月１０日、渋谷区文化総合センター大和田　さくらホール）への出演を辞退することを１９日、公式Ｘで発表した。

　辞退の理由について、大変悩み、熟考した結果「運営の姿勢につきまして、想（おも）いと異なり、アーティストとして向き合うことができない出来事がございました」と説明。「楽しみにしていただいた皆様には、大変申し訳ございません」と謝罪した上で「アニメを深く愛する皆様の気持ちを、最も大事にしたいと思っております」とつづった。

　「池袋アニメーションフィルハーモニー」の実行委員会も、同時間帯に公式Ｘを更新した。第一回演奏会のチラシ、ホームページ（ＨＰ）に使用している画像について、多くの方から「生成ＡＩではないか。アニメ専門オーケストラなのに、生成ＡＩ画像を使うのは良くないのではないか」という指摘があったと説明。こうした事態に対して、高橋側から「アニメ音楽に関わる立場として、こうした状況での出演は好ましくない」という意見があったため、「クリエイティブに対する姿勢の相違が判明した以上、本催事への出演は難しいという結論に達し、私たちの第一回演奏会に出演されないご判断を賜りました」と出演辞退の経緯を明かした。

　実行委員会は「アニメを愛する楽団を名乗っているのにもかかわらず、昨今の生成ＡＩを取り巻く問題について自覚が足りなかったことを恥じております。作品に対する配慮、アニメやそれに関わるクリエイティブを愛する皆様の気持ちを汲（く）み取れなかったことに気付き、実行委員一同深く反省しております」と謝罪。チラシ、ＨＰで使用した画像はイラストレーターに依頼した作品に、「仮」で差し替えたことを報告した。

　同公演のチケットのキャンセル、返金にも応じるという。