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「しのぎを削る勝負末永く期待」藤井一強時代に風穴開けた伊藤匠新叡王誕生に羽生善治会長も喜ぶ

スポーツ報知 / 2024年6月21日 6時0分

対局後に花束を贈られて笑顔を見せた伊藤匠新叡王

 “藤井一強”時代に風穴を開けたのは、同学年の後輩棋士だった。20日に山梨・甲府市内で指された第9期叡王戦五番勝負第5局で、藤井聡太八冠(21)を破った伊藤匠新叡王(21)は、「一つ結果が出せて良かった」と謙遜しつつ喜びを口にした。

 「三度目の正直」という言葉は伊藤のためにあったのか。藤井に遅れること4年、2020年10月にプロ入りし、当時すでに二冠(棋聖、王位)だった同学年の藤井の背中を追いかけた伊藤が、ようやく藤井の前に出た。

 昼食休憩前に持ち時間(各4時間)の約半分を費やした。「陣形差があり、こちらが神経を使う展開」。中盤以降も八冠に攻められたが反撃に転じ、藤井を先に1分将棋に陥れた。自身が優勢の中で秒読みに入っても、藤井の粘りを冷静にさばいた。「なんとか辛抱強く指せたかな」と努めて表情を崩さずに話した。

 昨年の竜王戦はストレートで4連敗。今年2、3月の棋王戦は初戦で「持将棋」(引き分け)も、その後3連敗。「はっきり実力の差があると思っていた。自分自身の棋力を上げていくしかない」。今シリーズ第2局で対藤井戦を11連敗でストップ。苦すぎる経験を糧に“最終戦”に臨んだ。

 小学3年時に将棋大会で藤井を負かして大泣きさせたが、昨年のスポーツ報知のインタビューでは「10年以上前の話」。今は自分が挑戦する立場を認識し「貴重な体験」と認めた。高校を1年の1学期で自主退学したのも藤井の活躍を見て「ふがいなさを感じたのが大きかった」。長く蓄えたライバル心をぶつけ、八冠保持を崩すという最高の結果を生み出した。

 藤井と同世代という運命を前向きに捉えている。「藤井さんがいなかったらタイトルも取れなかった。藤井さんのおかげで、こういう舞台にも上がることができている」。反撃かなった番勝負は「全体的に苦しい将棋が多かったと思うので、運が良かったのかな」と謙遜した新叡王は「一つ結果が出せてよかった。勝因は…ちょっと分からない」と正直な胸中を明かしつつ「今後も引き続き、藤井さんとタイトル戦で戦えるように頑張りたい」と言葉に力を込めた。

ライバル誕生 羽生会長喜ぶ

 日本将棋連盟の羽生善治会長(53)は、伊藤の初タイトル獲得に「タイトル戦3回目の挑戦での戴冠は、喜びも大きいと思います。今回の五番勝負は、最先端の将棋の魅力が余すことなく表現されたシリーズだと感じました」と祝福した。

 自身も1996年に全七冠(当時)を制覇。藤井より短い168日で陥落したが「今後も藤井竜王・名人と、しのぎを削る勝負を末永く繰り広げられることを期待しています」と好敵手が生まれたことを喜んだ。

 また、第2局の立会人も務めた谷川浩司十七世名人(62)は「勝負は勝ち続けることはできません。タイトルを独占する重圧もあったと思います。藤井さんとしては、同年の良きライバルを得てこれも進化のチャンスと捉えていることでしょう」とコメントした。

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