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藤井聡太七冠からタイトル奪取した伊藤匠新叡王「孤高」と揮ごう

スポーツ報知 / 2024年6月21日 9時53分

一夜明け会見に臨んだ伊藤匠叡王(カメラ・瀬戸 花音)

 将棋の第9期叡王戦五番勝負第5局で藤井聡太七冠=竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖=から初タイトルを奪取した伊藤匠新叡王は熱戦から一夜明けた21日、山梨・甲府市内で会見に臨み「孤高 叡王 伊藤匠」と揮ごうした色紙を持った。

 スーツ姿で会見場に現れた伊藤はやや疲労を感じさせるとろんとした目で、花束を受け取った。

 藤井の牙城を崩し、新タイトルを獲得した昨夜、伊藤の元にはたくさんの祝福の連絡が届いた。「昨夜は対局の後ということでなかなか深く寝付くことはできなかったのですが、本当にたくさんの方からお祝いの連絡をいただいて、少しずつ喜びはこみ上げてきたかなと思います」とかみしめる。

 タイトルホルダーとして初めて揮ごうしたのは「孤高」の二文字。棋士になった頃からよく揮ごうしている字だといい、「意味としては、自分の中でしっかり信念をもってぶれずに高みを目指していくというふうに解釈している」と揮ごうの理由を答えた。

 竜王、棋王に続き、3度目の挑戦で届いた頂。盤上での自身の変化については「今年に入ってから角換わりを採用することが多くなって、少しずつ戦型に対する理解が深まっていったのかなと思います」と自己分析した。

 師匠の宮田利男八段とは2大タイトル名人、竜王のタイトルをとったら賞金を半分渡す約束をしていた。今回については「その話はまだしていないんですが」とにやり。「師匠と直接会ってお話したいなと思います」と交渉の余地を残した。

 初タイトル獲得の地・山梨は、伊藤にとって忘れられない場所になるだろう。「果物がおいしいという印象がありますし、今回もお食事で振る舞っていただけたので、なにかお土産に買って行けたらなと思います」。新たなタイトルホルダーはまた次の地へ、歩みを進める。(瀬戸 花音)

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