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【森永卓郎の本音】 見えっ張りのしぶちん

スポーツ報知 / 2024年6月23日 12時0分

森永卓郎氏

 「フミオ、アリガトウ」。6月13日、G7サミットでイタリアを訪問中の岸田総理は、ウクライナのゼレンスキー大統領と30分間会談し、電力需要に対応するための追加支援を表明した。同時に、ウクライナの資金需要を満たすための財政援助を行うことも伝えた。

 岸田総理は、得意の外交手腕を発揮するため、世界中を飛び回っている。それは良いのだが、問題はその度に手土産としてとてつもない金額の援助をばらまいていることだ。

 ウクライナへの支援に関しても、日本はこれまでウクライナに対して1兆9000億円もの支援を決めている。それに加えて、今回のG7サミットで岸田総理は、今後10年間の長期支援を表明した。今後さらに数兆円の負担増は確実だ。

 ウクライナへの支援が悪いと言っているのではない。ただ、ウクライナの復興支援の前に、国内の復興支援を優先すべきではないのか。

 年初に発生した能登半島地震の復興は遅々として進んでいない。上水道に関しては、5月末で珠洲市と輪島市の1821戸で、断水が続いており、それが長期化する見通しだ。土砂崩れや建物の倒壊などが原因で早期の復旧が難しいからだ。住宅の再建は、遅れるどころか、被災住宅の公費解体さえ遅々として進んでいない。最大の原因は、政府の支援が薄いことだ。

 これまで政府は震度7以上の大規模地震に対して必ず補正予算を組んできた。しかし、能登半島地震に限っては補正を組まず、予備費での対応だ。被害額からみて、補正予算の規模は1兆円未満で済むのに、財政緊縮を優先させたのだ。海外に気前よくカネをばらまき、国民に増税と窮乏を強いる見えっ張りのしぶちんリーダーは、何が何でも権力の座に居座ろうと、いま必死になっている。(経済アナリスト・森永卓郎)

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