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「救世主」は阿部巨人の新たな「軸」 リクエスト弾&逆転阻止のジャンピングキャッチ

スポーツ報知 / 2024年6月24日 5時0分

3回1死三塁、リクエストで判定が覆り2点本塁打。雄たけびを上げて喜ぶヘルナンデス(カメラ・宮崎 亮太)

◆JERA セ・リーグ 巨人4―3ヤクルト(23日・東京ドーム)

 巨人がリーグ戦再開後3試合目で初勝利を挙げた。初回2死三塁、岡本和真内野手(27)の適時二塁打で先制。3回にはエリエ・ヘルナンデス外野手(29)が左翼へ4号2ラン。守っては1点差の5回1死一、二塁、左中間フェンス際の大飛球をジャンプし好捕するビッグプレーも見せた。予告先発の菅野が腰痛で登板回避。緊急登板のドラフト5位・又木が4回途中2失点で降板も、リリーフ陣が踏ん張って連敗を2で止め、一日で勝率5割に戻した。

 確信があった。ヘルナンデスが放った飛球は、左翼席の最前列へ飛び込んだ。ポールの右か左か―。場内に映し出されるリプレー映像でも判別が難しく、どよめきが残る両軍のスタンド。約2分後に塁審が右手を回すと、ヘルナンデスは雄たけびを上げながら一塁ベースへ走り出した。「ポールを巻いたと信じていた」。阿部監督のリクエストでファウル判定が覆った3試合ぶりの4号2ランで、勝利を大きく引き寄せた。

 新たな引き出しを開けた。1―0の3回1死三塁で、内角高めの絶妙なコースに食い込む146キロツーシーム。右肘をほぼ直角にたたみ、左腕は体に巻きつけるようなコンパクトなスイングでさばいた。身長185センチ、均整が取れた体つきと長い手足が印象的な助っ人は「ポイントは腕をしっかり残して(体の)先に出さないこと。難しいコースに体が反応してくれた」。過去3発は長いリーチを生かして真ん中から外よりの球を捉えていたが、4本目は芸術的な内角打ちを披露した。

 守備でも「塀際」を支配した。5回1死一、二塁でヤクルト・山田の大飛球が左中間へ。ヘルナンデスは「絶対に捕るんだという思いで走った」とフェンスにぶつかりながらジャンピングキャッチ。素早い返球で飛び出していた二塁走者も刺し、ピンチを救った。米・マイナー時代は屋外球場でプレーしていたが「ドーム球場でやる経験がなかったので、最初は苦労した。日に日に慣れていっている」と胸を張った。

 同郷のドミニカ共和国を代表するスターのマニー・ラミレスに憧れて6歳で野球を始め、17歳でロイヤルズとマイナー契約。マイナーでは結果を残しながらも、メジャー経験は22年レンジャーズ時代の14試合のみだった。「努力はウソをつかない」を座右の銘に自宅でも相手投手の動画研究を怠らない姿に、矢野打撃コーチは「日本でひと旗揚げたい、何とか日本の野球にアジャストしたいと言う気持ちを感じる」とうなずいた。

 来日から21試合で打率3割3分3厘と最高のスタートを切った。ヘルナンデスの活躍で同一カード3連敗を阻止した阿部監督は「野球に対する姿勢は素晴らしいなと思って、いつも練習中も見ている。若い選手もお手本にしてほしいなって思うぐらい、素晴らしい選手」。5月中旬の加入で「救世主」と呼ばれてきた助っ人は今や、阿部巨人の新たな「軸」となりつつある。(内田 拓希)

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