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【番記者の視点】浦和にブーイングと拍手…最悪の前半→後半2ボランチ変更でドロー 問われる戦術の変化

スポーツ報知 / 2024年6月24日 14時3分

後半、アディショナルタイムに同点のゴールを決めた浦和・武田英寿(左から3人目、カメラ・池内 雅彦)

◆明治安田J1リーグ▽第19節 浦和2―2鹿島(22日・埼玉スタジアム)

 【浦和担当・星野浩司】試合後、ゴール裏に大挙した浦和サポーターからはブーイングと拍手が入り交じった。0―2から後半に追い付いて劇的ドロー。あくまで展開だけ見ればポジティブだが、ホームで引き分け、そして5戦勝ちなしは受け入れがたい「結果」に違いなかった。

 最悪の前半だった。開始3分、敵陣から球際の競り合いで立て続けに勝てずにボールを前進され、鹿島FW鈴木優磨に先制点を奪われた。前線のプレスはやや連動性に欠け、被カウンターからアンカー(中盤底)のMF安居海渡の両脇スペースを使われ、カウンターでピンチの連続。同42分には自陣左クロスのこぼれ球への寄せの甘さも響き、鈴木に追加点を浴びた。DF渡辺凌磨は「球際に行くとか、そういう初歩的な部分が良くなかった」と語った。

 流れを変えたのは後半開始のシステム変更だった。4―3―3から4―2―3―1へ変え、伊藤敦樹と岩尾憲の2ボランチ、安居海渡をトップ下に。練習では試していなかった布陣といい、安居は「急きょ、後半に4―2―3―1の形にしていくと言われた」と明かしたが、スコルジャ監督時代の昨季に基本としていた形。中盤の人数が増えてカウンターを受ける回数が減り、安居の持ち味である前線プレスや裏抜けが増えた。攻撃、守備とバランスは安定し、ヘグモ監督も「良い流れに持って行くことができた」と振り返った。

 0―2の後半32分にMF武田英寿が決めた反撃のゴールも、相手プレスをパス連係でかいくぐり、伊藤の背後へのロングパス、右クロスから生まれた。前半は3本だったシュートは後半に11本と激増。終了間際、武田が直接FKを決めて劇的な同点劇を生んだ。

 前半に相手にペースを握られて失点し、後半に巻き返す―。1日の神戸戦(1△1)や15日のC大阪戦(1●2)など、そんな試合が続いている。渡辺は「もっと前半から戦っていかないと、結果、試合が終わって『勝てたじゃん』となって、でも結局勝てていない。前半が悪かったから後半に良くない状況になってようやく選手が奮闘する。それでは遅いと思う」と厳しく指摘した。

 今季リーグ19戦27失点。J1最少失点を誇った昨季と比べて守備の安定性を欠いている印象は強い。4―3―3布陣でインサイドハーフ2人を高い位置に置き、守備よりも攻撃を重視してきたヘグモ監督の戦術に一定の変化、柔軟性は見られた。鹿島戦は試合中にシステムと戦い方を変え、2点差を追い付いてドローと結果的に終わり方が良くて、何となく見過ごされがちな問題点の修正は不可欠。2ボランチは1つの解決策として手応えを得た。

 さらに攻撃。武田の2発に救われたが、直近5戦は先発したFW陣の得点はない。チアゴサンタナは特に前半の停滞を挙げ「(前線で)1人で走ってるけど、なかなかボールが来ない。自分が攻撃より守備に関わってる時間が多い感じがする」と嘆き、「戦い方が変わらないと、そしてもっといいサッカーをしないとタイトルは厳しいと思う」とも言った。

 今季開幕前は優勝候補の一角に挙げられた中、リーグ戦の前半戦を終えて7勝5分け7敗の11位。ヘグモ監督は「チームのプレーの方向性はいい方向に行っている。ポテンシャルも十分」と話す。26日の名古屋戦(豊田ス)から始まる後半戦。主将DF酒井宏樹ら中心選手の移籍やケガからの復帰など選手の陣容に変わる中で継続する部分、変化する部分の共有と結果が求められる。

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