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バレー女子パリ五輪メダルへの課題 バルセロナ五輪銅メダリストが提言

スポーツ報知 / 2024年6月25日 5時15分

ヨーコ・ゼッターランドさん

 パリ五輪で3大会ぶりのメダル獲得を目指すバレーボール日本女子の五輪前哨戦、ネーションズリーグ(NL)が23日、終了した。真鍋政義監督(60)率いる日本は1次リーグ(L)12試合、決勝大会3試合の計15戦の過酷日程を乗り越え、6大会連続の五輪出場を決めた。23日の決勝ではイタリアに1―3で敗れたが、国際大会では10年ぶりの表彰台に立つ、大きな収穫を得た。今大会を元米国代表で92年バルセロナ五輪銅メダルのヨーコ・ゼッターランドさんが総括。パリ大会への突破口として「ミドルを使え」と提言した。

 【収穫1 大きな経験】自分たちのできるベストを出し切り、まず五輪出場権を獲得するという目標を達成。その上で、決勝の舞台に立つという経験をしたことは、最近なかったことなので、非常によかったと思う。最も評価できるのがセッターの岩崎だ。日本代表から外れていて、数か月でアタッカーの特徴をつかみ、トスを上げていくことは、そんなに簡単ではない。五輪出場権獲得の一番の立役者だ。

 【収穫2 総合力で戦える】準決勝のブラジル戦では、和田が爆発した。決勝は敗れたが、井上のサーブやスパイクが機能した。いずれも途中出場の選手が、いい働きをしたということだ。古賀を軸にしていくのは当然だが、日本には突出したスーパーエースがいるわけではなく、総合力で戦っていかなければならない。

 1人の選手がずっと出続けるのではなく、試合の状況を見ながら、林から和田、石川から井上、山田から渡辺への交代など、さまざまな選手の組み合わせを考えてやっていくことが、日本の戦い方だということが、このNLを通してより鮮明になった。試合ごとにラッキーガールが出るとか、大会後、「みんなが活躍したよね」という形になるのが望ましいと思う。

 【サーブは生命線】ブラジル戦を見ていると、サーブが走り、相手を崩して、自分たちのリズムに持ち込んでいた。逆に、サーブが弱くなると、イタリア戦のように、どんどん打ち込まれてしまっていた。サーブが生命線であることは間違いない。サーブが効果的になると、相手もなかなか1回で決めきることはできない。相手の攻撃をブロックに当て、拾ってつなぐ粘りのバレーに持ち込むと、外国チームにミスが出やすい。そういった展開に導きたい。

 【課題1 五輪は本気度が違う】準優勝という成果は素晴らしいが、このNLに臨む各国のチーム、選手の姿勢はさまざまだった。五輪にピークを持っていくために、主力は温存したり、選手を選考したりで、本番では「本気度」が違う。選手たちも、肌で感じているはず。NLで決勝まで戦った日本はその勢いを持続するのはかなりきつく、この1か月でもう一度、ギアを上げるのは大変だと思う。

 【課題2 ミドルを使え】1か月で、チームを大きく変えることはできない。日本は機動力で戦うことを考えると、課題のミドルの頑張りが必要になる。前日のイタリアは、山田が前衛でおとりで跳んでも、ブロックは全くついてこなかった。絶対に打たないという跳び方だからだ。このため、アウトサイドアタッカーに負担がかかる。相手ブロッカーを引き付けるためにも、セッターはミドルを使って、突破口にしてほしい。

(元米国代表、92年バルセロナ五輪銅メダル・ヨーコ・ゼッターランド)

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