【阪神】昨季MVP右腕「木曜の男」で巻き返す「伊織も緩いカーブを投げている。まねされたんかな~(笑い)」同郷の同学年ライバルに負けん
スポーツ報知 / 2024年6月25日 5時0分
27日の中日戦(甲子園)でリーグ戦再開後初のマウンドを迎える阪神・村上頌樹投手(26)が、スポーツ報知の単独インタビューに応じ、先発ローテ再編で火曜から木曜に持ち場が変わった現在の心境を激白した。昨季のMVP右腕も今季は11試合の登板で2勝5敗。誕生日前日の24日は甲子園球場で行われた投手指名練習に参加し、同じ兵庫県出身で同学年の巨人・山崎伊への対抗心を原動力の一つとして巻き返しを図る考えを明かした。(取材・構成=中野 雄太、直川 響)
―今季はずっとエース級が集まる火曜の先発マウンドを託されてきたが、23日のDeNA戦の雨天中止に伴う先発ローテーション再編で才木にその座を譲り、木曜に回ることになった。次回登板は27日の中日戦。心境は。
「(火曜に)投げたかった気持ちもありますけど、自分は勝てていない。勝てていたら代わることも多分なかったでしょうし、いいピッチングをしていたら代わることもなかったと思います。反省しながらやっていきたいと思っています」
―今季はここまで2勝5敗、防御率2・12。2勝目を挙げた4月30日の広島戦(マツダ)を最後に自己ワーストの4連敗中だ。
「そうですね…。まあそこまで去年ほどうまくいくとは思っていなかったですし、こうなるというのも分かっていたというか、イメージ通りというか、想定内といえば想定内です」
―改善すべき点は。
「一番気にしているのは、ピンチで打たれていること(得点圏被打率2割9分7厘。昨季は同2割9厘)です。ピンチになって力が入って中に入ったり、変化球が浮いたりというのがあるので、しっかりと落ち着いてコースであったり高さであったり頑張って投げていけば、もう少し下がってくるのかなと思っています」
―投手陣では同じ兵庫県出身で同学年の才木と切磋琢磨(せっさたくま)。連覇へ必ず倒さなければいけない宿敵・巨人にも、同郷の同学年がいる。山崎伊だ。
「大学ジャパンの時に一緒になって、仲良く話したりしてずっと一緒にいました。あいつの投げた試合はどんな成績か見たりしているんですけど、あいつもチェックしているみたいで。伊織も今年から緩いカーブを投げている。まねされたんかな~(笑い)。どっちが先なんか、ちょっと気になるところではあるんです」
―その山崎伊は今季5勝1敗、防御率1・57。成績は上をいかれる。
「勝ちたいですし、相手が巨人というのもありますし、伊織というのもあるので。今は自分の方が成績が悪いので、なんとか追いつけるように。やっぱり負けたくないし、これからもそうだと思います」
―一方、智弁学園時代の2学年先輩・岡本和は、通算7打数無安打2三振と封じ込んでいる。
「まだ打たれてないので(笑い)。1本出たら気持ちが楽になって打つようになると思いますし、なんとか今年もゼロで抑えられるようにしていきたいです」
―後輩として試合前は必ずあいさつに出向くが、一つだけ注文?もある。
「球場で会えば『打たせろや』と言われますけど、僕は『絶対嫌です』と(笑い)。いつも球場であいさつに行きたいんですけど、巨人の練習前に出てくるのが遅くてギリギリ。『もう少し早く出てきていただければありがたいです』と、毎回言わせてもらってます」
―昨季、新人王&MVPを同時受賞した自身の復活が、今後のチームの浮上には大きなカギになる。
「あと半分ちょっと(シーズンは)ありますけど、数えてみたらもう少しという感じに自分の中でなっています。今は借金をしているので貯金をつくれるようにしていきたいですし、イニングもしっかり投げてチームに貢献できるようにやっていきます」
大ブレイクを果たした昨年を考えれば、今季の成績は物足りない。それは村上も百も承知で、対策してくる相手打線に対して「対処し切れていない」と冷静に現状を見つめた。被打率2割5厘の左打者に比べ、右打者に同2割7分7厘と打たれていることも気になるポイント。それでも、これに関しては「自分の中で(対策は)ある」と強い口調で言った。
◆村上 頌樹(むらかみ・しょうき)1998年6月25日生まれ。兵庫県南淡町出身。26歳。奈良・智弁学園では甲子園に3度出場し、3年春は優勝投手。東洋大を経て、2020年ドラフト5位で阪神入団。2年目まで未勝利ながら、昨年は22試合の登板で10勝6敗、防御率1・75。最優秀防御率のタイトルに加え、史上3人目の新人王とMVPのダブル受賞を果たした。174センチ、79キロ。右投左打。
取材後記 インタビューが進む中、場の雰囲気が一変したのが巨人・山崎伊に話題が及んだ時だ。「あいつ…」と白い歯を見せながら話す村上を見て、本当に良き友でありライバルだと感じた。同僚の才木、ドジャースの山本由伸も同学年。「負けたくない」という思いは、山崎伊に対してだけではない。競争し合える存在がいるからこそ、村上はもっと強くなれると実感した。(中野 雄太)
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