400m日本記録保持者・佐藤拳太郎「確実に狙う」 最強メンバー「マイル侍」史上初のメダル パリ五輪あと1か月
スポーツ報知 / 2024年6月26日 6時0分
陸上のパリ五輪代表最終選考会を兼ねた日本選手権は27日、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで開幕。メダル獲得の有望種目として注目されるのが、男子1600メートルリレー(マイルリレー)だ。メンバーの選考も兼ねた今大会で、3大会連続の五輪出場が有力視されるリーダー格の佐藤拳太郎(29)=富士通=は、昨年400メートルで32年ぶりに日本新記録を樹立。“マイル侍の星”が取材に応じ、同種目初の五輪メダル獲得への意気込みを語った。(取材・構成=手島 莉子)
“マイル侍”の名を知らしめる夏は、すぐそばまで来ている。リーダーの佐藤拳は「入賞では満足できない状態。銀以上は確実に狙っていく。日本のマイルは強いと世界に示したい」と、04年アテネ五輪以来の決勝進出を超える、初のメダル獲得を目標に掲げた。
22年オレゴン世界陸上は佐藤風雅、川端魁人、ウォルシュ・ジュリアン、中島佑気ジョセフで臨み19年ぶりに進出した決勝で、銅メダルまで0秒79のアジア&日本新の2分59秒51で4位入賞の大健闘だった。パリ五輪出場枠を獲得した今年5月の世界リレー(佐藤拳、佐藤風、中島、川端)は、バトンミスがあった中で銅メダルにわずか0秒04差の4位。現実味を帯びる五輪初の表彰台入りへ、佐藤拳も「パリでは数段強いマイルチームをお見せできる」と、相当な自信を見せる。
昨年のブダペスト世界陸上で、男子400メートルは32年ぶりの日本新を44秒77でマーク。佐藤拳の強みは中間地点の約200メートルからの再加速だ。早大大学院では経験、科学、分析をハイブリッドさせた研究で400メートルを理論づけ。自身の走りを修士論文にまとめた。再加速後、いかにスピード維持できるかを重要視しており、研究結果を100%体現できた場合、昨年の世陸金メダル記録の44秒22を上回る43秒9まで出せるという。
個人種目でも力が上がっていることに加え、「一番ロスがない状態で渡せる」という正確なバトンパス技術で日本は秀でている。佐藤拳の持論では「バトンを持つことで腕振りの重心が下がり力を加えやすくなる。加速走が得意な選手も多く、普段45秒中盤の選手も44秒台で走れたり」というプラス要素も考えられるという。五輪2連覇中の米国以外は実力が伯仲しており、日本が完全にはまればメダルは射程圏と見据える。
期待された昨年の世陸は予選敗退。試合後は3時間近くミーティングし「目標へのベクトルを同じに向ける」と、全員が「メダル」というターゲットを再認識した。パリでは攻めのレースを見据えており、「米国にも先行できるくらい勝負を仕掛けていく。(2分)58秒を切るまで持っていきたい」。大舞台を前に、日本選手権では最終日の30日に、400メートルの個人種目の五輪切符と自身初の優勝を懸けて、リレーメンバーと対決する。参加標準記録(45秒00)突破済みのため、優勝すれば即内定。「日本記録以上を狙うことに重点を置いています。そうすれば、おのずと順位も獲得できる」と、まずは日本一のタイトルから、今季の好調を証明する。
◆佐藤 拳太郎(さとう・けんたろう)1994年11月16日、埼玉・所沢市生まれ。29歳。豊岡高から陸上を始め、城西大に進学。2017年富士通入社。世界選手権は15年北京大会で初代表入りし、4回目となった23年ブダペスト大会の予選でトラック種目で日本最古となる日本記録を32年ぶりに塗り替える44秒77をマーク。五輪は16年リオ大会、21年東京大会で代表入り。23年アジア選手権400メートル優勝。173センチ、63キロ。
◆マイルリレー 4人で400メートルずつリレーしながら走る。合計距離が約1マイル(約1609メートル)であることから、種目名は「マイルリレー」と呼ばれる。各大会で最終種目となることが多く、400メートルリレーよりも応援時間が長いこと、順位の入れ替わりも多いことなどから、学生の大会で盛り上がる。
◆パリ五輪への道 各種目とも、日本選手権で参加標準記録を突破した上で優勝すれば即内定。佐藤拳は標準記録を突破している。未突破や2位以下でも、日本選手権の成績や世界ランキング次第で内定する。各種目の出場選手は各国・地域最大3人。
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