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父はフランス人 慶大4年195センチのハードラーが日本初110&400メートルの2種目で五輪狙う

スポーツ報知 / 2024年6月27日 5時0分

豊田兼

 パリ五輪の日本代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権は27日に新潟・デンカビッグスワンスタジアムで開幕する。26日は同会場で前日会見が行われ、110メートル障害と400メートル障害に出場する豊田兼(けん、21)=慶大4年=は、日本陸上界初となるハードル2種目での五輪出場を目標に掲げた。順当に行けば4日間で計5レース。名前の通り障害種目を“兼”務する異例の二刀流ハードラーは父の故郷、フランスで開催されるパリ五輪代表入りを狙う。

 二刀流ハードラーは自信に満ちていた。五輪選考会開幕前日、豊田は「自分の想定するレースプラン通りに走り切れれば、勝負に勝てると思っています。2種目、挑戦したいです」と瞳を輝かせた。400メートル障害は既にパリ五輪の参加標準記録(48秒70)突破済みで、今大会で優勝すれば即内定。110メートル障害は予選からのレースで標準突破を狙う。「五輪につながるレースがしたいです」と大学入学時から目標に掲げるパリ五輪出場へ、熱く意気込んだ。

 障害の高さ、インターバル(障害の間隔)が違うため、求められる素質は別物。だが、豊田は武器である195センチの高身長を生かして両立する。110メートルでは他選手よりも障害を「またぐ」意識になるため、上下動のロスが少ない。400メートルでは、後半まで少ない歩数でインターバルを走りきることができる。その上で、指導する高野大樹コーチは「手足が長くコントロールが難しいですが、それがうまくできている」と説明。自身の特性を、高い身体能力で生かし切っているのだ。

 21歳の夢は現実味を帯びている。110メートルは昨年8月のワールドユニバーシティゲームズ(中国)で日本人初優勝。自己記録は13秒29と参加標準(13秒27)にも十分手が届く記録を持ち、参加標準突破済みの400メートルも5月に日本歴代5位の48秒36で優勝。「(両立できるのは)自分しかいない。新しいロールモデルになりたい」と豊田は力強く語る。

 順当に勝ち上がれば、4日間で5レースを走る厳しいスケジュールだが「この2週間は疲労が残らないよう調整をしてきた」と自信を見せる。今夏の五輪開催地は、父の祖国でもあるフランスだ。「(出場すれば)初めての五輪が、自分のなじみであるフランスで開催されるのはモチベーション。しっかりその切符をつかみたい」。“陸の王者”の二刀流ハードラーが、日本陸上界の新たな扉を開く。(手島 莉子)

 ◆110メートル障害と400メートル障害 似て非なる種目。10台の障害を越える点は同じだが、障害の高さとインターバル(障害の間隔)の距離が違う。110メートルは高さが106.7センチ、間隔は9メートル14センチ。400メートルは高さが91.4センチ、間隔は35メートル。110メートルに求められるのはスプリント能力や高いハードリング技術。400メートルには第一に体力、そして戦術やスキルも必要になる。

 ◆豊田兼のパリ五輪への道 出場を目指す両種目、代表は各国・地域最大3枠。400メートル障害では参加標準記録(48秒70)を突破しており、今大会で優勝すれば即内定となる。110メートル障害は既に泉谷駿介(24)=住友電工=が内定し、残り2枠の争い。豊田は世界ランキングで代表入りすることは難しいため、今大会で参加標準(13秒27)を突破し、2位以内に入ることが条件になる。

 ◆豊田 兼(とよだ・けん)2002年10月15日、東京都生まれ。21歳。桐朋中では四種競技に取り組み、桐朋高からは110メートル障害と400メートル障害に注力。2年時は400メートル障害でインターハイ出場。慶大に進み、110メートル障害は1年時のU20日本選手権3位。400メートル障害は今年5月のセイコー・ゴールデングランプリで日本歴代5位となる48秒36をマークして優勝。195センチ。

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