リフレッシュ抹消の巨人・坂本勇人 復調のカギとなる“代名詞”
スポーツ報知 / 2024年6月27日 5時25分
巨人の坂本勇人内野手(35)が26日、出場選手登録を抹消された。故障と体調不良を除く2軍調整はルーキーだった2007年以来、17年ぶり。打率2割3分4厘、4本塁打、18打点と苦しむ打撃を立て直す「リフレッシュ」と位置づけられた調整期間での復調のカギは―。野手担当の内田拓希記者が「占う」。
チームの屋台骨を担い続けてきた責任感を示す言葉だった。25日のDeNA戦(新潟)後、坂本のファーム再調整が決定。阿部監督は「1回リフレッシュさせる。8、9月ね、いなきゃ終わるんで」と、かねて優勝争いの勝負どころと明言してきた中盤戦以降を見据えた上での決断を明かした。一方、坂本は「リフレッシュとか言っている場合じゃない。しっかりね、ちゃんと良くなるように」と、シーズン中に1軍を離れることへの歯がゆさをにじませた。
一夜明け、新潟から帰京した。イースタン・日本ハム戦(鎌ケ谷)を終えた桑田2軍監督は「(坂本と)話をして方向性を決めていこうと思っています。練習、試合はまず、話をしてからですね」と本人の意向をくみながら、万全の状態で1軍に送り出すステップを整える考えを示した。
「いろいろ考えながらやってるよ。でも(打席)内容が悪い」と語る坂本の苦悩の一端を示す、2つのデータがある。1つめは今季、内角球の打率が2割4分5厘にとどまり、通算の3割2分を大きく下回っていることだ(データ協力・データスタジアム社)。現役最多2375本安打を重ねてきた“代名詞”の芸術的な内角打ちを取り戻すことは、復調へのカギになるだろう。
もう1つは、現時点でキャリアワーストの3割1分2厘にとどまる長打率。いい角度で上がった打球がフェンス際で失速し、首をひねる場面も見られる。5月下旬からはバットを振り出す前に手首を小指側に曲げ、ヘッドスピードを上げる動作を加えるなど試行錯誤を続けてきた。
状況は違えど、坂本にはシーズン中の再調整期間に立て直してきた実績がある。昨季は6月23日の広島戦(マツダ)の初回に二塁内野安打を放って一塁に走った際に、右太もも裏の肉離れで途中交代。交流戦明け初戦の離脱も、G球場の走り込みで下半身を強化。7月下旬の復帰以降は53試合で181打数56安打の打率3割9厘、12本塁打、32打点と大車輪の働きを見せた。昨春のキャンプ中には「打球が全然飛ばない」と危機感を示していたが、最終的には22本塁打で4年ぶりに20発をクリアした。
今季から本格転向した三塁では華麗な守備で何度もピンチを救い、戦力として1軍に同行し続ける手もあったはず。それでも、ファームで「リフレッシュ」の期間を与えられたのは、現役時代から苦楽をともにし、その力を誰よりも知る阿部監督の「親心」もあったように思える。数々の逆境を乗り越えてきたレジェンド。勝負の夏に向け、復活への道を歩む。
◆今季の坂本の月別メモ
▽3、4月 開幕5番でスタートし、2戦目の阪神戦で今季初アーチ。3番に入っていた4月25日の中日戦では決勝3ランを放つなど3度の勝利打点。
▽5月 主に5番に入り、3日の阪神戦でミスターに並ぶセ・リーグ最多186度目の猛打賞を記録。18日の広島戦ではミスター超えの猛打をマークした。2番も4試合入った。
▽6月 6日のロッテ戦では落合博満超えの歴代12位となる通算2372安打。今季初めて7番に入った14日の日本ハム戦では、4月25日以来の4号ソロ。だが、月間打率1割5分9厘と低迷し、26日に出場選手登録を抹消された。
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