1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 野球

【巨人】最速159キロ、カットボールも150キロ超の育成剛腕 坂本がデッドリフトの重さに驚いた背筋力

スポーツ報知 / 2024年6月30日 7時0分

圧倒的な球速を目指し、日々筋力の強化に励む育成の田村

 巨人の若手選手の今を伝える「From G」。第7回は育成の田村朋輝投手(20)。高卒2年目の今季、5月に自己最速159キロを計測した剛腕は「1年間160キロを投げ続ける」ことを目標に、下半身強化やフォーム改良に取り組む。150キロ超のカットボールも武器で、メジャー最多652セーブを挙げたヤンキース・リベラのような打者を圧倒する投手を理想に掲げた。また、三沢3軍投手チーフコーチが田村の長所と今後の課題を明かした。(取材・構成=小島 和之)

 巨人の未来を担う有望株が、着実に成長を遂げている。高卒2年目を迎える田村は、春先に花粉症に苦しめられて状態を落とした時期もあったが、ここまで3軍で13試合に登板し、0勝1敗、防御率2・78をマークしている。

 「1年目はうまくいきすぎたという1年でした。今年は出遅れもありましたが、2年目もしっかりと成長しているので、いい日々を過ごせていると感じています」

 一番の武器は圧倒的な球威。1年目の昨季、最速157キロをマークすると、今年5月のJABA選抜新潟大会では自己最速を2キロ更新する159キロを計測した。

 「球速が出せることは分かったので、今は155キロを毎試合出せるように。将来的には1年間160キロを投げ続けられることが目標です。昨年は数字(球速)が上がっていてもボールが多く、冷静なプレーが少なかった。今年は一つ段階を上がったレベルでやっている感覚があります。当然、まだまだですが、プロ野球選手に少し近づいた投球ができているな、と成長は感じています」

 昨季は捕手のサイン通りに投げることで精いっぱいだったが、今は違う。

 「今年は捕手がなんでこのサインを出してるかっていうのを考えて、その上で首を振ったりもします。自分が試したい球種がある場合には、なぜそれを試したいのかというところまで考えながら投球ができている」

 直球に次ぐ武器の習得にも力を注ぐ。5月から本格的に投げ始めたカットボールは、最速150キロ前後を計測。ヤンキースの絶対守護神として、投球の大部分を占める150キロ超のカットボールと直球でメジャー最多652セーブを挙げたマリアノ・リベラのように、打者を圧倒する投手が理想だ。

 「打者からは直球に見えているのか、空振りもすごく増えてきた。球速も出ているし、すごく自信を持ちながら投げられている球です。周りからは(リベラみたいと)すごく言われます。それを目指すと言うと恐れ多いですが、そういうカットボールを投げて、直球も速い投手というのが理想です」

 地面に置いたバーベルを膝を曲げた体勢から膝が伸びるまで引き上げる「デッドリフト」では、250キロをこなす強力な背筋力を持ち、昨オフには近くで見ていた坂本を「そんなに上げてる人を見たことない」と驚かせたという。現在は、爆発的な出力を生む上半身に対し、筋力が不足している下半身や体幹のトレーニングに注力。フォームの連動性も見直しながら、1軍で長く活躍するための下地づくりに取り組んでいる。

 「投球フォームなど、自分の投手としての形をつくっていく上で、力を安定して出し続けるパワーが足りていなかった。下半身や大胸筋などの大きな力を生み出す筋肉や体幹のトレーニングに力を入れています。きっと今、支配下になって1軍に行っても1か月と持たない。そんな状態で行っても意味がないので、年間通して投げ続けられる体づくりをやっています」

 当然、目標は支配下昇格だが、将来性豊かな剛腕は大きく羽ばたくための課題と向き合いながら着実に前進している。

 「今は1軍で戦うための投球スタイルを見つけるために、3軍でいろいろと試しています。課題は、いい球を続けて投げていく安定性。1軍レベルの投手は、決め球を低めに一発で投げ込めているけど、僕は2、3イニング目になると決まらなくなる。筋力的に弱い部分が、パフォーマンスを出し切れていないことにつながっていると考えているので、トレーニングで安定性を身につけていきたいです」

 自慢の剛球で、野球ファンの度肝を抜く日はそう遠くないかもしれない。

 ◆田村 朋輝(たむら・ともき)2004年4月6日、東京・八王子市生まれ。20歳。小学2年時に野球を始め、別所中では町田シニアに所属。酒田南(山形)では甲子園出場なし。22年育成ドラフト2位で巨人入団。背番号023。184センチ、81キロ。右投右打。

 ◆三沢3軍投手チーフコーチ 田村には速い球を投げられる能力があり、「球速は追い求めていくように」と話しています。今は新しい球種としてカットボールに取り組んでおり、いい球を投げます。今までは制球面に課題がありましたが、カットボールが加わったことでストライク率も上がり、打者に対して優位に立てるスタイルができています。

 課題は直球を打者が嫌がる球にしていけるかどうかです。140キロでも打ちにくい直球があるように、投手と打者の関係性は数字だけでは測れません。間や変化球、制球力などの要素によって直球はより生かすことができます。まだ若いですが、現在ではリリーフとしての適性が最もイメージしやすいと思います。直球を軸としながら戦っていける投手に成長していくことが一番良いと考えています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください