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【オリックス】吉田輝星が1球で移籍後初勝利 668日ぶり白星に「うれしいですけどあんまり浸らないように」

スポーツ報知 / 2024年6月30日 5時0分

オリックス・吉田輝星

◆パ・リーグ ロッテ3―5オリックス(29日・ZOZO)

 昨オフに日本ハムからトレードでオリックスに加入した吉田輝星投手(23)が、移籍後初勝利を挙げた。9回2死一、三塁のピンチで登板し、1球で三ゴロ斬り。延長10回の杉本の勝ち越し2ランを呼び込んだ。1球勝利は昨年6月18日・阪神戦のソフトバンク・大津亮介以来、パ・リーグ24人目(25度目)、両リーグ48人目(49度目)。球団では09年8月25日・日本ハム戦の清水章夫以来、15年ぶり2人目。チームは6月の月間勝ち越しを決め、リーグ4位に浮上した。

 吉田は「攻める気持ち」で初志貫徹した。マウンドへ球種の再確認に訪れた女房役の若月にも、力強く返答した。「打ち合わせ通り、シュートでいきます」。9回2死一、三塁のピンチでリリーフ。勝負強い荻野を初球の内角をえぐるシュートで三ゴロに仕留め、拳を握った。好救援で延長10回の杉本の勝ち越し2ランの呼び水となり、移籍後初白星をつかんだ。日本ハム時代の22年8月31日の西武戦以来、668日ぶりの勝利の美酒。1球での勝ち投手は、球団で15年ぶり2人目の“レア記録”となった。

 「今はリリーフなので。次の投手につなぐという意識でやっているので、うれしいですけど、あんまり浸らないようにしたいなと」。控えめに喜びを口にし、ウィニングボールも「マチャドが、どっか持っていきましたね」と笑い飛ばした。

 修羅場で投じたボールこそ、ニュー輝星の象徴だ。昨オフにトレードで加入。再出発の武器として習得に励んだのがシュートだった。「初球、シュートから入るなんて僕がキャンプで練習していた時は信じられない。いろんな人に感謝したい」。横変化の投球の幅が広がり、140キロ台後半の球威も取り戻した。中垣巡回ヘッドコーチの指導のもと、投球フォーム改良が実を結びつつある。同郷の秋田出身の中嶋監督も「今のボールでしたら、自信を持って投げてくれる」と目を細めた。

 チームはロッテ戦の引き分けを挟んだ連敗を5でストップ。6月は12勝10敗で今季初の月間勝ち越しを決め、リーグ4位に浮上した。「リリーフ陣は、けがしている人が多いので、みんなで助け合って」と吉田。新天地でさらなる輝きを放つ。(小松 真也)

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