【宏太’Ｓチェック】Ｊ１札幌は新加入の大崎を中心に使っても…突破口を見出すには人を代える必要も

６月２９日の新潟戦で前線へパスを出すJ１札幌MF田中克（右）

◇Ｊ１第２１節　新潟１－０札幌（６月２９日・札幌ドーム）

　どんなサッカーをするうんぬんの前に、サイドでためがつくれなかったり、効果的な裏抜けがないのが一番の課題と感じた新潟戦だった。前半３６分に右サイドの田中宏武が中に入って高尾瑠がサイドに上がったが、そのような場面はほかになし。外に張っているだけで裏を取れない、相手を抜けない、クロスも上げられないサイドでは、点など取れない。

　新加入の大崎を中心に使っていっていいと思う。パス１つでも２つ３つ先を考えたメッセージ性のあるボールを出せるし、状況を見たプレーができる。違いを見せられる彼を、試合をつくれる田中克幸と一緒に使うなど、突破口を見出すには人を代える必要もあると思う。

　強いチームは相手がどう来るかを見ながら対処するが、今はいっぱいいっぱいになってしまって、相手の嫌がることができていない。クロスも人に人にでは通らない。ＤＦとＧＫの間に「誰か入ってこい」と要求するくらいのボールを出さないと。けが人も多く苦しい状況だが、裏を返せば誰もがスターになれるチャンスということ。俺がそれをつかむという気持ちでやってほしい。（吉原　宏太、１９９６～９９年札幌ＦＷ）