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若林先制ゴルフ打!松本で巨人7年ぶり再現…落ちるスラとっさに反応「ついていけた」バット先で曲芸 攻守で存在感

スポーツ報知 / 2024年7月3日 5時20分

2回1死三塁、先制の左前適時打を放つ若林(カメラ・宮崎 亮太)

◆JERA セ・リーグ  巨人1―2中日(2日・松本)

 食らいついた。若林が曲芸のような一振りで先制点をもたらした。両軍無得点の2回1死三塁。2―2から小笠原の投じた、見送ればワンバウンドになろうかというスライダーに反応した。食い込みながら落ちる球に対して右足をとっさに引き、バットの先ですくい上げる。どよめきが起こる中、白球は遊撃の頭を越え左翼前で弾んだ。「逆方向をイメージしながらで、ちょうどついていけたかなと思います」。チームで浸透している両手でYの字をつくる「ワイワイポーズ」を披露した。

 時を超えた“再現”でもあった。17年9月5日。松本で行われた同カードでは当時巨人に所属していた宇佐見(現・中日)が9回に地面すれすれの低めの球を右翼席に運ぶ同点2ランを放って、勝利の道を切り開いた。7年の月日を経て西武から新加入した若林が“リプレー”。阿部監督に「ちょっと動物的なところがある。ポテンシャルは素晴らしい」と評される身体能力を生かした打撃で松本のファンを沸かせた。

 サバイバルをかけた執念が結果に結び付いている。西武からトレードで加入し、「何とかチャンスをものにしたい」と燃える。2試合連続で左翼スタメン起用されると1安打1打点。昨季は対左投手で打率1割1分8厘と苦しんでいたが、「悪くないイメージでいけている」とサウスポーから2戦連続で結果を残した。現状、外野は中堅・ヘルナンデスと右翼・丸が固定。左翼は立岡、萩尾、佐々木らで日替わりでの出場となっている中で、定位置奪取へ向けてアピールになった。

 新天地での躍動を支えてくれているのはチームメートの存在だ。移籍後2戦は無安打。そんな時に岡本和と吉川が気にかけて、言葉をかけてくれた。「声をかけてくれたおかげで励まされた」。試合前練習では「自分で見るのと対戦するのでは違う」と、吉川らと積極的に助言を求め、対戦経験の少なかった小笠原攻略の糸口を探った。

 9回の守備でスライディングキャッチを披露するなど、攻守で存在感を見せた。7回に受けた死球についても「大丈夫」と気合は十分。「持っている力を全部出すという気持ちで集中できている」。この好機を逃すわけにはいかない。気迫あふれる男がチームに勢いをもたらす。(宮内 孝太)

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