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福原愛さんが周囲の支えに感謝「納豆があったんですよ。納豆が」選手しか知らない日本の五輪総力サポート

スポーツ報知 / 2024年7月3日 17時55分

トークセッションで現役時代を回想する福原愛さん

 卓球女子で五輪2大会連続メダリストの福原愛さんが3日、東京ビッグサイトで始まった「スポーツチーム・アスリート向け総合展2024―Japan Sports Week―」(5日まで。関係者のみ公開。一般入場不可)のトークセッションに登壇した。福原さんは、競泳の松田丈志氏やアーティスティックスイミングの奥野史子さんと共に、現役時代の五輪での食の苦労などを語り合った。

 大会直前の食事は、選手のコンディション作りの上で大きな影響を与える。福原さんはアテネ五輪前のイタリア合宿について「合宿所のご飯があんまりおいしくなくて。せっかくイタリアなのに…って。合宿で朝から晩まで練習だったので、外にご飯食べに行く時間も全然なくて」と回想。北京五輪では日本とほとんど時差がないため、直前まで国内で調整していた。

 その中で、福原さんが感謝したのは、ロンドン五輪から登場したナショナルトレセンのコンパクト版「マルチサポートハウス」だった。選手村にはない白米、さばのみそ煮、金平ごぼうや減量メニューなど日本食約50品目を用意。疲労回復用の高圧カプセル設備や簡易プール、カウンセリングルームも設置。柔道、レスリングの練習場として108畳分のスペースを確保。い草の香り漂う畳ルームも用意されていた。

 文科省マルチサポート事業で設営された前線基地の総経費は5億4000万円。五輪公園の選手村から徒歩10分で、普段はダンスホールなどに利用される3階建てのモダンな建物を借りて設置された。

 福原さんは「あれがあるだけで(違った)。ナショナルトレーニングセンターの食器も全部持ってきてくれていたので、ずっとトレセンで練習しているようなリラックスした気持ちになれた。納豆があったんですよ。納豆が。持って帰ってました、私。選手村に」と明かした。

 マルチサポートハウスの効果は絶大で、ロンドン大会で福原さんは女子団体で日本卓球史上初となる銀メダルを獲得。日本選手団としても当時史上最多となる38個のメダル獲得につながった。

 現在は日本オリンピック委員会(JOC)でアスリート委員長を務める松田氏もその効果を語る。「本当に日本に帰ってきたくらいの気持ちになりますよ。その場所に行くとね。アテネの時は選手村の食事が本当に口に合わなくて。10日間ちょっと選手村に滞在したと思うんです。その間に体重が減っちゃったんですよ。食べれなくて。サラダバーの色がだんだん悪くなったりとかしていて『これを食べて大丈夫かなみたい』な。そういう時にマルチサポートハウスがあると、選手村の食事がダメでも、そっちに食べに行くことができる。コンディション維持にはすごく役立ちました」と説明した。

 一方、バルセロナ五輪銅メダリストの奥野氏は「今は夢のようですね」と“世代間ギャップ”に苦笑い。「私たちは何も食べられない状況のはやっぱりしたくなかった。炊飯器や鍋を持っていき米を炊いて。あとは井村(雅代)先生が毎回おにぎり作ってくれるんです。それを試合前に食べる。『それを食べたらちゃんと泳げる』という、なんとなくのジンクスがありました」と、厳しい練習で有名だったアーティスティックスイミング(当時シンクロナイズドスイミング)の結束力にまつわるエピソードを披露。「お金のある競技の人は選手村の外で宿舎を借りて、栄養士さんとか調理師さんとかみんな来て、もう手取りや足取り全部お膳立てされるんですけど、私たちは全然そういうのがないので。自分たちの身は自分たちで守れみたいな感じでやってました」と時代の違いを回想していた。

 効果が実証されたマルチサポートハウスは、その後の五輪やアジア大会でも設置されている。

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