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「お父さん、お母さん、おじいちゃん、勝ったよ」巨人5年目左腕が地元前橋で凱旋勝利にお立ち台から家族に報告

スポーツ報知 / 2024年7月4日 5時0分

地元・前橋で先発した井上は、8回無失点の好投で3勝目を挙げた(カメラ・岩田 大補)

◆JERA セ・リーグ  巨人6―1中日(3日・前橋)

 巨人が群馬・前橋で行われた一戦で中日に完勝した。地元・前橋商出身の井上温大投手(23)がプロ5年目で自己最長の8回を投げ5安打無失点。自己最多タイの7Kも奪って、家族、友人が駆けつけた凱旋登板で3勝目を挙げた。打線は3回、エリエ・ヘルナンデス外野手(29)の5号3ランで先手を取り、7安打6得点で井上を援護。貯金を再び1とし、4位は変わらないながら首位・広島とは2・5差とした。

 不思議な力が湧いてきた。井上は地元・前橋のファンの大きな声援に背中を押された。「拍手をもらって疲れを感じないぐらい。期待に応えようって気持ちが強くなって」。プロ最長となる8回のマウンド。先頭に四球を与えたが宇佐見を3イニング連続併殺となる二ゴロゲッツー。最後は福永を左飛に打ち取り、笑顔でマウンドを降りた。

 8回97球5安打無失点で今季3勝目。巨人の群馬出身投手としては、地元で挙げた初勝利だ。両親や多くの知人が応援に訪れる中、お立ち台で「お父さん、お母さん、おじいちゃん、勝ったよ」とはにかむと、たくさんの「井上温大」のタオルがスタンドで揺れた。

 慣れ親しんだマウンドに力が入った。前橋商時代、3年夏の群馬大会決勝で敗れた苦い思い出の球場に「奇跡ぐらいの巡り合わせ。記憶に残せる投球を」と力が入った。初回いきなり2者連続三振。ここから連打を浴びてピンチを迎えるも、板山を空振り三振に仕留めて波に乗った。

 最速148キロの直球にスライダー、フォークを駆使し、自己最多に並ぶ7Kを奪った。4回で2被弾、3失点だった前回の6月27日・DeNA戦とは見違えた。日中は気温30度を超える蒸し暑さ。汗で濡れたユニホームを乾かしながらマウンドに立ち続け「ここで何回も悔しい思いをして甲子園に行けなかった。その舞台でいい投球ができたのは周りの人にいい恩返しができたのかな」と胸を張った。

 小学2年に引っ越すまで、球場の近くに実家があった。球場裏の利根川河川敷が温大少年の練習場所だった。「周りの風景も球場に行くまでの道も見たことあるものばかりで落ち着きます」。前橋入りした2日は市内の実家に寄って、愛犬のミニチュアダックスフント・ライくんにパワーをもらった。

 決めていたことがあった。「表情を大事にしよう。硬くならないように」。自らの登板映像を見返し、気づいた。「打たれている時は本当に自信がなさそうな顔をしていた。今は勝負を楽しんで、打たれたらどうしようっていう気持ちがない」。自分に注がれる歓声を全身で感じ、堂々と投げた。

 7戦続いた1点差ゲームからもチームは脱出。阿部監督は「素晴らしいピッチング。どこ行っても地元だと思って投げてもらいたいね」と目を細めた。お立ち台で「次も何とか長いイニングを投げ切って勝ちがつけられるような投球をしていきたい」と叫んだ左腕。「一生に一度」と臨んだマウンドは、忘れられない深い思い出として胸に刻まれた。(水上 智恵)

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