【高校野球】元虎戦士の祖父から英才教育受けた植松堅立が静高を甲子園に導く…全国高校野球選手権静岡大会・話題校紹介
スポーツ報知 / 2024年7月4日 10時37分
今春県大会で準優勝した名門・静岡の植松堅立(けんた)外野手(3年)は、同校OBで元阪神の精一さん(68)を祖父に持つ。小学2年で野球を始めてから今も“英才教育”を施されている俊足の外野手。2021年夏以来の甲子園へ「小技、走塁、色々なプレーで貢献したい」と意気込んだ。第1シードで臨む初戦は13日、伊豆伊東―浜松西の勝者と対戦する。
静高の歴史を彩った“レジェンド選手”の孫がこの夏、甲子園に挑む。植松は背番号17でのベンチ入りが決まった。「物心つく前から甲子園を見ていた。県代表はいつも静岡。僕にとって高校野球は静高野球部です」。県内トップクラスの進学校に一般入試で入った左打者は、チームへの思いであふれていた。
春夏合わせて43度の甲子園出場は県内最多。静岡中時代の1926年夏に全国制覇し、準優勝は2回。植松の祖父・精一さんは、最後に決勝進出した73年夏に中堅手として出場した。木製バットだった当時、高校通算36本塁打を放った強打者として、作新学院のエースだった同学年の江川卓氏(69)らと聖地をにぎわせた。法大を経て、77年ドラフト2位で阪神に入団し、6年間在籍した。
植松は中堅、左翼で祖父と同じ外野守備につくが、高校通算3本塁打。「自信をもって言える武器は50メートル走5秒9の足」とタイプは違う。池田新之介監督(46)は代走や守備固めでの起用を考えている。
父・弘樹さん(41)は強豪・藤枝東サッカー部でコーチを務める。幼少期はサッカーをしていた植松は小学2年から野球を始め、その基礎は元虎戦士が築いた。中学から祖父と同じ中堅を守るようになると、「相手打者のネクストバッターズサークルでのスイングを見て、守備位置、一歩目を切る際の左右への重心のかけ方を考える」と教わった。それが守備範囲の広さにつながっている。
今春の地区予選は左翼でスタメン入りも打撃で結果を残せず、県大会ではベンチを温めた。5月上旬、祖父にバッティングの相談をすると約1時間、指導してくれた。その助言を生かすためにノーステップ打法に挑戦し、手応えを感じている。出場機会が増えた昨秋からは練習試合にも訪れ、「夜に電話で守備や打撃のアドバイス」をしてくれたという祖父のためにも、聖地の切符をつかみにいく。
(伊藤 明日香)
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