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女性初プロ棋士へ「大勝負という気持ち」…将棋女流三冠が編入試験受験表明

スポーツ報知 / 2024年7月5日 4時50分

受験を表明し、囲み取材で笑顔を見せる西山朋佳女流三冠

 将棋の西山朋佳女流三冠(29)=白玲、女王、女流王将=が4日、東京・渋谷の将棋会館で指された朝日杯オープン戦1次予選で阿部光瑠七段(29)に勝利し、直近の公式戦成績が13勝7敗に到達。10勝以上かつ勝率6割5分以上のプロ棋士編入試験受験資格を満たした。取材に応じた西山は「受験させていただこうと思います」と受験の意思を表明した。

 すっぱりと大きな決断をした。受験資格を得た後の囲み取材で西山は「昼食休憩の後、(将棋連盟に意向を)お伝えさせていただきました。受験させていただこうと思います」と明かした。続けて「思い立ったという感じかもしれません。積極的な選択をしようかなと思いました。受けるからには、できることをしっかりやって挑みたい」と話した。

 西山は2010年に棋士養成機関「奨励会」に入会し、三段まで昇段。2位以内に入ると棋士になれる三段リーグでは、19年度後期に14勝4敗で、1位2位と同成績ながら前期順位を踏まえた3位に。初の「女性棋士」にあと一歩まで迫ったものの、四段昇段(プロ入り)には届かなかった。その後、年齢制限前の21年に退会を表明。女流棋士に転向した。西山は「14勝4敗という棋士の水準を満たしたかなというところで、また女流棋士としてのスタートだったので、戸惑いはあった」と当時を振り返った。

 編入試験は新人の棋士5人と対戦し、3勝すれば合格となる。女性の同試験受験は、22年の福間香奈女流五冠(32)=清麗、女流王座、女流名人、女流王位、倉敷藤花=以来2人目。福間は3連敗で不合格だったため、西山がもし合格すれば、女性初の「棋士」になる。

 「(福間らの編入試験は)注目度が高かったのかなと思っていて、独特の空気感で対局することになっているのかなと、はたから見ていて思ったりしていました」と西山。ともに女流2強時代を築いている福間の受験は西山にも刺激になったはずだ。

 福間は資格獲得から受験発表まで約1か月間、考えたが、西山は同日に決めた。一度は閉ざされた夢への扉を自らの手でこじ開けようと「自分にとっての大勝負という気持ちで指す」と強い意志を見せる。そして「女流棋士や女性の方々が応援してくださったり、『励みになる』と言ってくださる方もいらっしゃる。光栄なことかなと思います」と少し表情をやわらげた。(瀬戸 花音)

 ◆西山 朋佳(にしやま・ともか)1995年6月27日、大阪狭山市生まれ。29歳。伊藤博文七段門下。5歳で将棋を始める。2010年、関西奨励会入会。14年1月に初段、同9月に二段、15年12月に三段昇段。18年、マイナビ女子オープンで初タイトルの女王を獲得。21年4月に女流棋士に転向。指し手の力強さから「豪腕」の異名を持つ。最近の息抜きは少年漫画を読むこと。

 ◆プロ棋士編入試験 05年に特例で実施され、アマとして活躍した瀬川晶司六段が合格して翌年、正式に制度化された。現在の試験制度は棋士番号の若い新四段5人を試験官とする五番勝負。5局中3勝で合格となり、順位戦フリークラスへの編入資格を得る。これまで、14年に今泉健司五段が、20年に折田翔吾五段が、23年に小山怜央四段がそれぞれ合格している。

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