「もしかしたら、最後になるかも」 井岡一翔が背水の覚悟でリングに立つ理由
スポーツ報知 / 2024年7月6日 7時0分
◆プロボクシング ▽WBA、IBF世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)王座統一戦12回戦 WBA王者・井岡一翔―IBF王者フェルナンド・マルティネス(7日、東京・両国国技館)
WBA、IBF世界スーパーフライ級王座統一戦の調印式とグラブ・チェックが5日、都内で行われた。WBA王者の井岡一翔は引退の2文字を背負いながら、一戦必勝で2階級目の2団体統一を目指す。IBF王者のフェルナンド・マルティネス陣営は元世界2階級制覇マルコス・マイダナ(40)がプロモーター兼マネジャーとして同席した。グラブは井岡が黒で親指部分が金の日本製、マルティネスが青のメキシコ製を選択した。
調印式を終えた井岡の表情が変わった。報道陣から、何歳まで現役を続ける意向であるかを問われ「やりたくても続けられるか分からない職業。次の試合もとても大事な試合になる。もしかしたら、最後になるかもしれない」と悲壮な覚悟を口にした。
30代も中盤に入り「やりたくてもやれないのが人生。この年齢になって一戦一戦、大事な気持ちで戦っています」と常に背水の陣でリングに上がっている。準備にも時間をかけ、6日の計量を前に減量も順調に進んでいる。
この日は、50戦全勝のフロイド・メイウェザー(米国)と2度の対戦経験がある元世界2階級制覇のマイダナがマルティネス陣営の一員として姿を見せた。井岡について「完璧でインテリジェント(知性的)な選手」と評価。35歳という年齢にも「井岡もマルティネスもいい時代(年代)にいる。スペクタクルな試合ができる」と円熟味を増し、決してマイナスではないとした。
井岡を指導するイスマエル・サラス・トレーナー(67)も「井岡は13年も世界王者で、4階級制覇したすごいチャンピオン。試合の日にそのすごさが分かると思う」とまだまだ衰えていないと証言。「年間最高試合になるような戦いになる」とマルティネス戦は激闘になると予想した。
12年に八重樫東(大橋)に判定勝ちして、WBA、WBC世界ミニマム級統一王者になって以来、2階級目の2団体統一に挑む井岡。2階級で4団体制覇の井上尚弥(31)=大橋=に続く日本人史上2人目の快挙へ、家族、スタッフ、ファンの思いを「背負って戦う」と気合を入れた王者は勝ってさらなる高みを目指す。(戸田 幸治)
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