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志村けんさん、たかじんさん、紳助さん、さんま、たけし…中山秀征が明かす超ビッグネームからの金言

スポーツ報知 / 2024年7月8日 11時0分

カメラマンとも何度もポーズを話し合う中山秀征(カメラ・小泉 洋樹)

 タレントの中山秀征(56)が著書「いばらない生き方 テレビタレントの仕事術」(新潮社刊、税込み1650円)で約40年の芸能生活を振り返っている。お笑いから始まり、現在放送中の日本テレビ系「シューイチ」(日曜・前7時半)など有名バラエティーのMCも多く、一時はレギュラー番組を10本以上抱えるまでに。そんな半生記には志村けんさん(2020年死去、享年70)、明石家さんま(69)ら超ビッグネームからの金言にあふれている。(浦本 将樹)

 インタビュー部屋に入るや否や「空調大丈夫? 暑くない?」。周囲が首を横に振ると、自身が上着を脱ぐ。こちらに「はい飲み物も…」とニコニコ。急に部屋が明るくなったような気になる。

 本書では、俳優でも芸人でもなく「テレビタレント」を自負する中山が、スターになることを夢見て上京した高校時代や、歌手として「第二の吉川晃司」を目指した頃。お笑いコンビ「ABブラザーズ」として活躍後、挫折を経て、バラエティー番組を中心に今までやってきた約40年間が描かれている。

 タイトル「いばらない生き方」はスタッフが考えた。「自分からは言わない言葉ですよ。こう生きられればいいなという思い」と照れ笑いする。ただ、周囲の関係者らに実際のところを聞いても「本当に威張らない。打ち合わせでもずっとアイデアを出し続けています」と証言する。自身も「他人からどう捉えられているか分かりませんが、自分を大きく見せようとか思うことはないです。それに、人に会う時は、その日の気分などを持ち込まないようにします」と気をつける。

 両親はともに「シューイチ」放送中に亡くなったが、番組関係者には伏せて通常通りに収録した。「親も『死に目に無理に来なくていい。自分のやりたいことがやれているということなんだから』と言ってくれていました」と明かす。

 キャリアを積むうちに、多くの大物の生きざまに触れてきた。生でやる舞台を前に「俺だって緊張するんだよ…」と漏らしていた志村さん。勉強家で流行の音楽・映像をほぼ全部チェックしていただけでなく、政治や経済にも精通していたのに、おくびにも出さなかった。中山にも「バカでいろよ」と助言。笑いについて考え抜いた上で「結局、俺とかタケちゃん(ビートたけし)がケツ出して走り回っているのが一番面白いんだよな~」と笑っていたという。

 豪快なイメージのあった、やしきたかじんさん(2014年死去、享年64)は自宅に行くと5、6台のテレビが並んでおり、全局の番組が放送されていた。「自分の裏番組で何をやっているのか。全部を同時に見ないとダメなんだ」と強調していた。

 11年に表舞台から引退した島田紳助さん(68)も、いつも手帳を持ち歩き自分の番組と裏番組の視聴率、気づいたことをびっしりメモしていた。「びびりましたよ。こんな細かく書いているんだって。紳助さんは数学的、たかじんさんは色合いというか文化的に番組戦略を考えていたのかな」。天才だと思っていた2人の研究熱心さに舌を巻く。

 「お笑い怪獣」と評する明石家さんまからは、1994年の「ラブホ釈明会見」前夜に電話があった。今からは考えにくいが、都内のラブホテルから出る写真が週刊誌に載り、事情を説明する会見だ。初めて行ったラブホテル。当時自分は独身。「何が悪いんだ」の思いで悶々(もんもん)としている時だった。電話口からの「ヒデ、笑わせてや。ほな!」の言葉で気づかされた。「この会見は何を伝える場で、自分は何を求められているのか。会見にもニーズがあることに気づかされた」と感謝する。

 当日は笑いも交え、柔らかい空気づくりに終始。ちなみに、さんまは92年、大竹しのぶ(66)との離婚会見で額に小さく「×」を描いて登場した。

 本書には触れられていないが、ビートたけし(77)とも若手時代にタレントの結婚式の待合室で2人きりになったことも。会場の準備を手伝っていたら、最初に到着したのがたけし。「僕がお酒をつくりましたが、緊張と静寂で氷の解ける音が聞こえた」と思い返す。「その時、小さい声で『お兄ちゃんコンビでやってんだよな。向いてないよ。俺も向いてないんだけどさ。昔(ツービートで)やってたんだよ』って。やっぱり見抜かれていたんですね」と笑う。

 大御所からの言葉の数々は長期間、最前線にいた証しでもある。「何か前線でやっている人たちと会っちゃうんです。たけしさんとは当時、共演もしたことがなかったのに」と偶然にも感謝する。

 会うのは人物だけではなく、ハプニングにも遭遇している。たかじんさんが92年に「M10」(テレ朝系)でスタッフに怒り途中退場した際も、上岡龍太郎さん(23年死去、享年81)が「大発見!恐怖の法則」(96~97年、テレビ朝日系)の番組途中でスタジオを出て行った際も、取り残されて尻拭いをしてきた。

 沢尻エリカ(38)も07年の有名な映画舞台あいさつでの“別に…会見”の前日、中山の生番組「ラジかるッ」(日本テレビ系)に出演していた。番組でも若き女優は打ち合わせ通りに受け答えせず、ずっと塩対応だった。「(その時の)質問内容がよくなくて、僕がうまくトスを上げてしまって、あの会見につながってしまったのでは」と責任を感じている。MC人生で「最大の惨敗」と認める一コマ。後日「シューイチ」で再会し、沢尻から謝罪されたものの、今でも当時の映像は見られないという。

 3年後には還暦を迎える。今後の生き方については、書名にかこつけ「いばれるようなものを作りたい」と掲げる。タレントとしてテレビ出演する一方で、歌謡ライブや書道など活動は多岐にわたる。「テレビでは音楽・コント・トークが融合した番組、書道では個展もやりたい」と意欲満々。本の続編があるなら「いばれるようになる生き方」を希望する。

 インタビューが1時間を過ぎ、恐縮したこちらが「そろそろ写真撮影を…」と切り出すと、中山が(このページ別コーナーの)「『おすすめの一冊』聞かなくていいの? ほら、家から持ってきたんだから」と記者がすっかり忘れていた話題を思い出させてくれた。長年、第一線を張ってきたMC力を実感させられた。

 ◆中山 秀征(なかやま・ひでゆき)1967年7月31日、群馬県藤岡市生まれ。56歳。85年に松野大介氏とのお笑いコンビ「ABブラザーズ」でフジテレビ系「いただきます」でデビュー。その後ソロ活動に入る。98年に元宝塚歌劇、星組娘役トップの白城あやかと結婚。長男は俳優の中山翔貴。現在は「シューイチ」、フジテレビ系「クイズ!ドレミファドン」、BSフジ「昭和歌謡パレード」などで活躍中。血液型B。

中山秀征が選ぶ「おすすめの一冊」

 ◆鈴木おさむ著「最後のテレビ論」(文芸春秋)

 「テレビが面白くない」「YouTubeやネットに押されている」と最近よく言われています。でも、この本を読むと、鈴木さんはテレビを諦めていないことが分かる。テレビの使い方をもうちょっと考えて、違うやり方があるんじゃないかという発想。テレビに対する愛情をとても感じます。

 「笑っていいとも!」「めちゃ×2イケてるッ!」「SMAP×SMAP」など人気番組を手がけ今年、放送作家を引退されました。実は鈴木さんの企画にゲスト出演をしたことはありますが、僕がメインで鈴木さんもメインということはほとんどなかった。僕もあまり放送作家さんに近づかないので、接点はあまりなかった。

 テレビでやれないことが多くなったと思うけど、その中でやれることを探そうよという考え方。作家さんの立場で、僕と目線は違いますが、考える方向性は同じだなと共感しました。僕の本と両方読んでいただけると面白いです。(談)

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