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試合前「最後になるかも」井岡一翔が涙の大差判定負けで無冠 去就は明言せず「考えていたことは白紙に…」

スポーツ報知 / 2024年7月8日 5時0分

11回、マルティネスにカウンターの左フックを浴びる井岡(右)(カメラ・堺 恒志)

◆プロボクシング ▽WBA、IBF世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)王座統一戦12回戦 WBA王者・●井岡一翔―IBF王者フェルナンド・マルティネス〇(7日、東京・両国国技館)

 WBA世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(35)=志成=が、IBF同級王者フェルナンド・マルティネス(32)=アルゼンチン=に0―3の大差判定で敗れた。ミニマム級に続く2階級目、日本人男子最年長での2団体統一は果たせなかった。ジャッジ1人には初めてフルマークの108―120をつけられる完敗となり、試合後は悔し涙を見せた。無冠となり、3団体統一の夢も消えたが、去就については明言を避けた。

 七夕の夜に2団体統一という井岡の願いはかなわなかった。ジャッジ3人全員がマルティネスを支持し、1人は井岡に108―120。過去の2敗でも一度もなかったフルマークをつけられ、初めて王座を持ったまま負けた。花道で関係者と抱き合うと涙がこぼれ、「涙出ますよ。悔しいです」と目元を拭った。

 マルティネスが得意とする接近戦で真っ向から打ち合った。「体の厚みもあってガードが堅かった。でかいサンドバッグをたたいたようだった」という無敗のIBF王者から、首が左右に揺れるほどの強打を何度も食らいながら終了ゴングが鳴るまでひるまず前に出た。「1ラウンド、1ラウンド、全力で戦って、やり抜いた」とうなずいた。

 21歳だった11年、WBC世界ミニマム級王座に挑み当時、日本人最速となるデビュー7戦目で世界王座を奪った。怖いもの知らずだったあの頃とは違う。35歳となった現在は食べ物の質にこだわり、ピラティスなどで体を外側だけでなく内側から手入れを怠らず整えるようになった。ダウンの練習もするなど、あらゆる状況を想定し、準備に一切、手を抜くことはない。

 統一戦は3度目だが、「特別な試合」ととらえてきた。WBO世界スーパーフライ級王者だった22年、WBA王者ジョシュア・フランコ(米国)との統一戦は引き分け。12年には世界ミニマム級で八重樫東(大橋)に判定勝ちしWBA、WBC王座を統一した。狙った2階級目の2団体統一はならず、主要4団体で唯一、手にしていなかったIBFのベルトも奪取できなかった。

 5歳の長男・磨永翔(まなと)くん、2歳の次男・大空翔(たくと)くんが「チャンピオンと分かるまで現役でいたい」という希望を持つ。勝ってWBC王座との3団体統一戦を描いていたが、「タイトルも持っていないし考えていたことは白紙になった」。

 17年末に一度引退した際は翌年9月に再起し、日本男子初の4階級制覇に成功した。「もしかしたら、最後になるかもしれない」と覚悟を決めて挑んだ統一戦。試合後、今後について「終わったばかりで考えられない」と明言を避けた。

(戸田 幸治)

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