メジャー１年目で球宴出場の今永昇太の不安とは？ 「間違えてエドウィンを…」 陰で支える一心同体の存在

◆米大リーグ　カブス５―０エンゼルス（７日、米イリノイ州シカゴ＝リグレーフィールド）

　米大リーグ機構（ＭＬＢ）は７日（日本時間８日）、１６日（同１７日）にレンジャーズの本拠地・テキサス州アーリントンで開催される第９４回オールスターゲームの出場選手をスポーツネット局「ＥＳＰＮ」の番組内で発表。昨オフＤｅＮＡからポスティングでカブスに入団し、今季１６試合で７勝２敗、防御率３・１６と好投を重ねる今永昇太投手（３０）が選ばれた。日本人選手では１５人目。新人では昨年の千賀滉大（メッツ）に続いて９人目。夢舞台に挑む今永の唯一の不安とは―。

　球宴初出場の栄光を手にした今永が、意外な不安を打ち明けた。

　「一つ、オールスターで危惧することがあるとすれば、僕の名前と顔を知らない選手が、間違えてエドウィンのことを今永と呼ばないか。それが、不安ですけど」

　エドウィンとは、今永のスタンベリー通訳。捕手として日本の独立リーグを目指す道もあった同通訳は、今永より体が大きい。「通訳であり、データであり、時には僕のボディーガード」（今永）というだけあって、予備知識なく２人を見たら、どちらが大リーガーか迷うところだ。とはいえ、今やリーグを代表する投手となった今永には杞憂（きゆう）だろう。

　米メディアとの質疑応答では「エドウィンのサポートがなくては行けなかったので、２人で行けることがうれしい」と語り、当惑しながら、英訳する同通訳に報道陣が大笑いする一幕があった。今永は、言う。「単なる業務として僕の言語を訳すという存在じゃなくて、通訳以上の存在だと思う」。

　自分で対戦打者のデータを調べあげ、高校や大学時代の成績に遡ることもあれば、年俸や契約形態まで細かく情報を届ける。抑えた後も、打たれた後も「僕と同じような気持ちで過ごしてくれている」と、一心同体の存在に感謝した。

　アーリントン行きの切符は２枚。二人三脚で夢の舞台に挑む。