【高校野球】石川大会が開幕…春まで部員１人の松任は単独チームで出場

校旗を掲げて行進する松任の角谷主将

　全国高校野球選手権石川大会の開会式が１１日、石川県立野球場で行われ、参加４４チームが入場行進を行った。春まで部員１人だった松任は、バスケットボール部やテニス部などから助っ人４人が加わった上、北陸学院から選手５人を借り受けて、出場にこぎ着けた。当初からの部員の角谷大和主将（３年）は「単独チームで出場するのは２年ぶりで、すごく新鮮な気持ちです」と笑顔を見せた。

　２年前の夏は９人ぎりぎりで単独出場したが、昨夏は部員３人のため、合同チームで出場。そして、昨夏の大会後は、部員は１人になってしまった。「もっと野球がうまくなりたい。１人でもやるしかないと思いました」と角谷。早川由規監督とマンツーマンでノックやトスバッティングを行い、冬場はウエートトレーニングに励んできた。今夏は、他のチームが単独出場することもあり、早川監督が学校内外を奔走して選手を集めた。バスケットボール部主将でもある高島蓮外野手（３年）は「１人で練習しているのをずっと見てきた。野球は好きだし、力になりたかった」と、この２か月間、一緒に練習してきた。

　助っ人選手のユニホームやスパイクなどは、ＯＢから借りたり、部室にあったものを使用。当初は連係プレーでミスも多かったが、コミュニケーションを図りながら信頼を築いてきた。「いろんな人に支えられ、ここまで来ることが出来た。感謝の気持ちを持ってプレーしたいです」と角谷主将。全員が力を合わせて夏勝利をつかみ取る。（中田　康博）