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仙台大女子柔道部・南條和恵監督とパリ五輪グアム代表マリア・エスカノの師弟の絆…パリへ届け・東北からエール

スポーツ報知 / 2024年7月12日 6時10分

記念撮影するマリア・エスカノ(左)と南條和恵監督(カメラ・岩崎敦)

 柔道女子57キロ級グアム代表としてパリ五輪に出場する仙台大のマリア・エスカノ(22=現代武道学科4年)は、2021年に入学し鍛錬を積んできた。女子柔道部監督で1997年パリ世界選手権代表の南條和恵監督(52)が、大舞台での完全燃焼を願った。

 仙台大の現役学生として初の夏季五輪代表となり、壮行会で大きな拍手を浴びたマリアの姿を見た南條監督は「本当に良かった。ウチの学生にとっても大きな刺激になっていますね」と感慨にふけった。

 米国籍ながら、グアムに親戚がいたことからオセアニア地域枠で五輪出場権を獲得。来日当初は全く分からなかった日本語も、持ち前の明るさと積極性ですぐにマスターした。「頭がいいです。どこの国へ行っても誰とでもしゃべるし、すぐに仲良くなれる子ですね」と成長を実感している。

 ただ来日当初はコロナ禍で出入国制限や隔離期間があったため、自宅のある韓国には3年間帰れなかった。特に日本人学生が帰省する年末年始は一人ぼっちになり、寂しさから泣くこともあった。南條監督は自宅に招いて食事を振る舞った。「マリアだけ特別ということはないんですけど、つらい思いをしていたので一緒にいるようにしましたね」

 柔道では劣勢時に勝負を諦めてしまうことが目立ち「マリア、粘れ!」と声をかけ続けた。裏投げなどの大技を得意とするため、相手の仕掛けを待つことで先に指導を取られることも多かった。この1年は積極的に仕掛ける姿勢に加えて寝技も強化。マリアも「和恵先生の『粘れ』という言葉を思い出して練習しています」と話した。

 南條監督はグアム連盟の委嘱コーチとしてパリへ帯同し、一緒に選手村へ入る。自身が出場した97年世界選手権の開催地もパリだった。「マリアのおかげでもう一度パリに行ける。自分のことを思い出すような時間をもらって感謝しています。オリンピックでは納得のいく形で『出し切ったね』と言えるような大会にしたいですね」。親子のように結ばれた強い絆を、花の都で証明する。(岩崎 敦)

 ◆マリア・エスカノ 2002年1月29日、韓国生まれ。22歳。米国人の父とロシア人の母の間に生まれ、7歳で柔道を始める。2020年に来日し21年に仙台大へ入学。日本語、英語、韓国語、ロシア語、スペイン語と5か国語を操る。

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