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【高校野球】被災地の石川・輪島は初戦敗退…秋田憲秀遊撃手が投打で奮闘も

スポーツ報知 / 2024年7月12日 17時59分

4回から登板した輪島の右腕・秋田

◆第106回全国高校野球選手権石川大会 ▽1回戦 金沢龍谷11-1輪島=6回コールド=(12日・石川県立)

 1回戦が行われ、元日の能登半島地震で被災した輪島は、1-11の6回コールドで金沢龍谷に敗れた。昨秋は8強、今春は3回戦進出を果たしたが、夏は初戦で大敗を喫した。輪島市の火災で自宅が全焼した6番・秋田憲秀遊撃手(3年)は1安打を放ち、投手としては4回から登板。しかし、2イニングを4安打、6失点と精彩を欠き、勝利を呼び込むことは出来なかった。試合後、秋田は「緊張もあったけど、自分がチームを盛り上げたかった。負けて悔しいです」と肩を落とした。

 自宅を失った後は、金沢市のみなし仮設住宅に引っ越し、授業は内灘高の教室を借りて、リモート授業を受けてきた。野球道具もすべて焼失し「野球をする気が起きなくて、やけになったこともあった」と話すが、監督からは「心配せずに戻ってこい」と言われ、3月上旬に再び野球を続けることを決意。平日は金沢市工の練習に参加し、週末は輪島に合流して練習を重ねてきた。

 昨秋はエースとしてチームを引っ張り、8強入りの原動力となったが、その後は肩を壊した。今夏も投げられる状況ではなかったというが、本人の強い意志で登板。しかし、本来の投球にはほど遠かった。「いろんな方に支えてもらって、恩を返すにはグラウンドに立つことだった。後輩たちがあとをつないでくれると思います」と秋田。悔しさは残ったが、周囲の支援に感謝の言葉を重ねて球場を後にした。(中田 康博)

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