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【高校野球】神戸弘陵・村上泰斗、9回1死までノーヒットノーラン 最速149キロで圧巻11奪三振

スポーツ報知 / 2024年7月14日 6時0分

先発し、力投する神戸弘陵・村上泰斗

◆第106回全国高校野球選手権兵庫大会 ▽2回戦 神戸弘陵6―1飾磨工(12日・明石トーカロ)

 兵庫大会では、神戸弘陵の最速153キロ右腕・村上泰斗(3年)が9回2安打1失点の完投で、飾磨工を破った。9回1死から2安打を許して失点したが、そこまでノーヒットノーランの快投。最速149キロで11三振を奪い、8球団のNPBスカウト陣の前での今秋ドラフト候補の真価を見せつけた。

 「脱力」を意識し、神戸弘陵・村上は115球を投げ抜いた。9回1死、中越え二塁打でノーヒットノーランを逃すと、思わず苦笑いが漏れる。捕逸と適時内野安打で失点も許したが、それでも、2安打11奪三振でしっかりと勝利をつかんだことに価値があった。「やっぱりチームを勝ちに導くっていうのが一番の目標。そこのうれしさが大きい」と充実感をにじませた。

 一つの敗戦が、大きな転機となった。昨秋の県大会では彩星工科に1―4で敗戦。村上自身も4回途中2安打4四球1失点と振るわなかった。「力を入れて、どれだけ三振を取れるかみたいな。個人種目のように、自分が個人で戦ってしまっていた」。ひとりよがりな投球を反省。「エースたるもの、それではいけないなと。チームを勝たせる投手に」と心を入れ替えた。スタミナを温存して長いイニングを投げ抜くため、冬は脱力投法の習得に取り組んだ。

 この日は、序盤の5回までは6割の力で投球。「8割に上げた」と振り返る7回を3者連続三振に斬って取り、9回は全力投球で締めた。出力を制御しながらの完投に「力を抜くところは抜いて、入れるところは入れる。今日は自分の良さが出せた」と納得の表情を浮かべた。

 ネット裏には8球団のNPBスカウト陣が集結。中日・山本スカウトのスピードガンでは149キロをマークし、巨人・岸スカウトは「自分の持ち味が出せていた。夏の初戦だが、バタバタせずに落ち着いている」と評価した。「球速だけでは上の世界でも通用しない。勝てる投手が一番評価される」と背番号1。「甲子園に導くことだけを意識したい」と、99年春以来25年ぶりの聖地へ、自身の右腕で導く決意をにじませた。(南部 俊太)

 ◆村上 泰斗(むらかみ・たいと)2007年2月20日、兵庫・猪名川町生まれ。17歳。白金小1年時に白金メッツで軟式野球を始め、投手と捕手。猪名川中では大阪箕面ボーイズで主に捕手としてプレー。神戸弘陵では2年春にベンチ入り。最速153キロ。変化球は得意のカーブ、フォークに加え、ツーシーム、スライダー、カットボールを持つ。180センチ、76キロ。右投右打。

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