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「早く会いたい。ゴルフ場に連れていきたいくらい」 今季初Vのクールな23歳・平田憲聖が目尻を下げる「ププ」と「ビビ」

スポーツ報知 / 2024年7月15日 6時0分

平田憲聖

◆男子プロゴルフツアー 長嶋茂雄招待セガサミーカップ 最終日(14日、北海道・ザ・ノースカントリーGC=7096ヤード、パー71)

 単独首位から出た平田憲聖(23)=エレコム=が5バーディー、2ボギーの68で回り、通算19アンダーで逃げ切って今季初優勝を飾った。通算3勝目。持ち前の堅実なプレーで、同じ2000年度生まれで“ミレニアム世代”の蝉川泰果(23)=アース製薬=との、初めての最終日最終組対決を制した。昨年7月のメジャー、日本プロ選手権(北海道・恵庭CC)に続き、真夏の北の大地で喜びに浸った。

 短いウィニングパットを沈めた平田は、広げた両手を静かに上げた。後続に3打差をつける圧勝だった。「今季は優勝争いに加われなくて、優勝を遠く感じていた。去年挙げた2勝よりも特別な1勝。自信になった」。石川遼ら大勢のプロ仲間にウォーターシャワーで祝福されると、ポーカーフェースを崩した。1年前と同じ、北の大地で迎えた歓喜の瞬間。「北海道大好きです!」と声を張った。

 オフは飛距離アップを目指してトレーニングに励み、平均飛距離が昨季の286ヤードから291ヤードに伸びた。第2打で使う番手は短くなり、パーオン率も約67%から約72%に上昇した。13番パー5の残り245ヤードの池越えの第2打。3ウッドで向かい風を切り裂きグリーンを捉えた。「ドライバーがイメージより10ヤードくらい飛んでいたから、あのジャッジができた」。バーディーで後続を突き放した。

 ジュニア時代から関西で競ってきた同学年の蝉川と、ツアーで初めて最終日最終組で争った。「スタート前から彼の存在は脅威になると思っていた。爆発力があるし、伸ばさないと優勝できない。今日はそこだけを見ていた」。16番までリーダーボードを見ずに、目の前の敵に意識を向けた。直接対決のつもりで臨んだ18ホールで勝ち切った。

 クールな23歳が、愛犬のミニチュアシュナウザー「ププ」と「ビビ」の話になると途端に目尻を下げる。散歩にも行くし、ドッグランにも行く。ゴルフを忘れてリフレッシュできる大切な時間だ。「早く会いたい。ゴルフ場に連れていきたいくらい」と再会を願った。3週のオープンウィークを挟み、シーズンは続く。「また早く4勝目、5勝目と挙げられるように頑張りたい」。最愛の存在に癒やされてまた、平田は戦いの旅に出る。(高木 恵)

 ◆平田 憲聖(ひらた・けんせい)2000年11月26日、大阪・吹田市生まれ。23歳。祖父の影響で7歳からクラブを握り、12歳で本格的にゴルフを始める。大阪学院大3年時の21年、日本学生選手権優勝。同年12月プロ転向。昨年5月のミズノオープンでツアー初優勝。昨季の獲得賞金は約7900万円で6位。家族は両親、姉。170センチ、70キロ。

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