【函館記念】昨年ダービーで健闘した逸材がついに素質開花 巴賞に続く連勝で重賞初制覇
スポーツ報知 / 2024年7月15日 6時0分
◆第60回函館記念・G3(7月14日、函館・芝2000メートル、良)
サマー2000シリーズ第2戦の第60回函館記念・G3が14日、函館競馬場で行われ、3番人気のホウオウビスケッツが3馬身半差をつけて重賞初勝利を飾った。巴賞からの連勝でのVは05年のエリモハリアー以来、19年ぶり。
北の大地で素質馬が、本格化を告げた。3番人気のホウオウビスケッツが好位から抜け出し、初の重賞タイトルをゲットした。巴賞からの連勝での制覇は、かつて函館記念を3連覇した05年のエリモハリアー以来19年ぶり。今年の東京新聞杯(3着)から4戦続けてコンビを組む岩田康は「函館に来て良かった」と安どの表情を浮かべた。
ハンデ57・5キロを問題にせず、強さが際立っていた。スタートを決め、押していくアウスヴァールを行かせて2番手。テンはやや行きたがったが、2コーナー過ぎから人馬の呼吸がピタリと合った。勝負どころで徐々に動き、抜群の手応えで迎えた直線で一気に加速。後続を置き去りにし、2着グランディアに3馬身半の決定的な差をつけて勝利した。鞍上は「最終日だけど馬場が良くて走りやすいので、後続に脚を使わせることができた」と読み通りの展開だった。
タスティエーラが制した昨年のダービーで、0秒2差の6着と健闘した逸材。前向き過ぎる気性が災いし、勝ち切れないレースが続いたが、前走の巴賞でメンコ(覆面)を着用して一変した。奥村武調教師は「(以前は)自分の気持ちだけで突っ走っていたが、人の方に気持ちが戻ってくるようになった」と気性の成長を証言。賞金加算が至上命題だった前走でいきなり結果を出し、中1週だった今回も自身を見失うことはなかった。
今後は未定だが、トレーナーは「天皇賞・秋(10月27日、東京)が目標になってくる」と大舞台への挑戦を明言。6月の遅生まれで、まだまだ成長が見込める。4歳夏に開花して勲章を手にし、ここから大きく羽ばたいていく。(松末 守司)
◆ホウオウビスケッツ 父マインドユアビスケッツ、母ホウオウサブリナ(父ルーラーシップ)。美浦・奥村武厩舎所属の牡4歳。北海道新ひだか町・岡田スタツドの生産。通算10戦4勝。総獲得賞金は1億2507万円。重賞初勝利。馬主は小笹芳央氏。
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