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「来年は世界を」女子800メートル19年ぶり日本新 久保凛が「憧れていた」いとこの背中追いかける

スポーツ報知 / 2024年7月16日 5時0分

日本新記録を樹立した久保凛

◆陸上 奈良県長距離強化競技会(15日、奈良県立橿原公苑陸上競技場)

 女子800メートルで6月の日本選手権を制した16歳の久保凛(東大阪大敬愛高2年)が、1分59秒93の日本新記録を樹立した。日本女子初の1分台突入で、杉森美保が2005年にマークした2分0秒45を19年ぶりに塗り替えた。自己記録を3秒20更新しての快挙は、U18では今季世界2位。サッカー日本代表の久保建英(Rソシエダード)のいとこが、来年の世界選手権(東京)、28年ロサンゼルス五輪の主役へ躍り出た。

 電光掲示板に衝撃の日本記録が映し出された。「1分59秒93」。16歳の久保が800メートルで日本女子初の1分台をたたき出し、日本中距離界の歴史を動かした。最初の100メートルから前に出ると、ペースメーカーもいないレースで後続を寄せ付けず、圧倒的な力を示してフィニッシュ。U18で今季世界2位、歴代では8位。出場はしないが、パリ五輪参加標準記録(1分59秒30)にも0秒63に迫る独走だった。

 驚異の成長曲線を描いている。昨年、1年生ながら全国高校総体を制すと、今季は日本トップ選手が出場するグランプリシリーズで3勝を挙げた。6月の日本選手権決勝では、日本中距離界のエース・田中希実(24)=ニューバランス=にも勝ち、同種目では16年の福田翔子(島根・松江北)以来、8年ぶり高校生チャンピオンに輝いた。

 しかし、目標にしていたパリ五輪の参加標準に届かなかったため、「狙っていたタイムもあったので、悔しい」と満足感はゼロ。当初はサッカーの久保建英のいとことして注目を浴びていたが、着実にトップアスリート「久保凛」として立場を確立している。

 女子800メートルの日本勢は、1928年アムステルダム五輪で人見絹枝が銀メダルを獲得し、その後は五輪出場わずか2人と世界は遠い。パリ五輪出場はかなわなかった久保は「来年は世界を目指したい。4年後に向けて練習に取り組みたい」と来年の世界選手権、28年ロサンゼルス五輪を見据える。「いとこが日本代表を背負ってプレーしているところもすごく憧れていた」とも明かす16歳。「800メートルで五輪や世界で通用するような選手になりたい」。日本陸上界のニューヒロインが世界を驚かせる日は遠くない。

 ◆女子800メートルの日本と世界 日本勢は1928年アムステルダム五輪で人見絹枝が銀メダルを獲得。64年東京五輪は木崎正子が開催国枠で出場し、予選2分18秒6の3組7着で敗退。04年アテネ五輪の杉森美保は予選2分2秒82の2組6着で敗退した。五輪出場3人と世界との差が大きい種目。21年東京五輪の準決勝進出ラインは2分1秒16、決勝進出ラインは1分59秒28。世界記録はヤルミラ・クラトフビロバ(チェコスロバキア)が1983年7月26日に出した1分53秒28。

 ◆久保 凛(くぼ・りん)2008年1月20日、和歌山・串本町生まれ。16歳。小学1年から6年まではサッカー中心で、潮岬中入学時から本格的に陸上を始めた。東大阪大敬愛高に進み、昨年8月は高校1年で全国高校総体800メートル優勝。初の国際舞台となった同月の日・韓・中ジュニア交流競技会でも優勝。今年3月には800メートルで高1歴代最高の2分5秒13をマーク。6月の日本選手権優勝。サッカーで国体出場経験のある父・建二郎さんは、サッカー日本代表MF久保建英の叔父。

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