【高校野球】広島・新井貴浩監督の次男が公式戦初打点「次、見に行ける時が来るまで死ぬ気で勝てと言われている」

笑顔で今夏初打席に立つ甲南の新井颯真

◆第１０６回全国高校野球選手権兵庫大会▽３回戦　甲南１２―０西脇＝５回コールド＝（１５日・ベイコム）

　兵庫大会では、広島・新井貴浩監督の次男で甲南の颯真投手（３年）が代打で登場。左犠飛を放ち、公式戦初打点をマークした。

　１１点リードの５回１死二、三塁、「代打・新井」のアナウンスとともに、広島・新井監督の次男・颯真が、今夏初打席を迎えた。１ボール２ストライクから捉えた打球は、駄目押しの左犠飛。公式戦初打点に「チーム全員が、僕にチャンスを回そうと必死に頑張ってくれた。みんなが取らせてくれた１点」と喜んだ。

　打席の応援歌は「スピードスター」を頼んでいたが、流れてきたのは聞き慣れた父の現役時代のテーマ。「応援担当の子が言って、ブラスバンドが練習してくれていたみたいで。昨日、音合わせをしていたときに聞こえて『もしかして…』と思ったんですけど…」。さらに、応援団はカープ名物「スクワット応援」で颯真を後押し。「自分の中で盛り上がりましたね」。仲間のサプライズ応援に武者震いして打席に立った。

　この日は来られなかった父からは「全力で楽しむことと、ファーストストライクは全力で振れ」と背中を押してもらっていた。ただ、硬くなって手が出ず「父は苦笑いしているかな。緊張で振れなくて…そこは課題です」と反省した。「次、見に行ける時が来るまで死ぬ気で勝てと言われている。兵庫で一番、暑い夏にしたい」。４回戦の西宮今津戦は、広島の阪神戦（甲子園）前日の１８日を予定。直接、雄姿を届けるためにも、まだまだ負けられない。（瀬川　楓花）