村田真一氏が「もう、戸郷との『Ｗエース』と言ってもええんちゃうかな」と評する火曜の男

７回１失点で７勝目を挙げた山崎伊織（カメラ・相川　和寛）

◆ＪＥＲＡ　セ・リーグ　巨人２―１阪神（１６日・東京ドーム）

　伊織の調子は正直なところ、イマイチやったと思う。でも、それでも２回に小幡に打たれた不運なタイムリーの１点だけに抑えた。毎回のように走者を背負ったのにね。相手が何で１点しか取れんのかと首をひねりながら帰途につく、ええ投手ならではの投球よ。才木に投げ勝ったという意味でも大きな１勝やね。

　普段１５０キロ近く出る球速は１４０キロ台中盤が多かったし、スライダーのキレも悪いから左打者に拾われて安打にされたり、球数もかさんだ。でも、シュートと、調子がよかったフォークを生かす配球に変えて尻上がりに調子を上げたよね。３回２死一、二塁の大山も外の直球を見せてから内角にフォーク、シュートと続けて抑えきった。岸田のリードも素晴らしかったね。サインプレーやろうけど、５回の二塁けん制もセンスの高さを感じた。競った試合で価値のあるプレーよね。

　一度もローテから外れていないから、疲れはあって当然。でも悪いなりの投球でしのげるようになってきた。もう、戸郷との「Ｗエース」と言ってもええんちゃうかな。（スポーツ報知評論家・村田真一）