「度胸すえてエンドランを外せたので。長年キャッチャーやっていて良かったなと」巨人・阿部監督が岡田監督との「頭脳戦」制し自画自賛
スポーツ報知 / 2024年7月18日 5時10分
◆JERA セ・リーグ 巨人4―3阪神(17日・東京ドーム)
読みが的中した。阿部監督は直感を信じて勝負に出た。1点リードの6回の守備。1死一塁、打者・坂本の場面でカウント2―2から捕手の岸田に「外せ」のサインを出した。泉が投じた外角ボール球の直球を坂本はバットに当てられず空振りし、大山が盗塁失敗で三振ゲッツー完成。ヒットエンドランを察知して阻止した。ビッグプレーの裏には、阪神ベンチとのしびれる駆け引きがあった。
「度胸すえてエンドランを外せたので。長年キャッチャーやっていて良かったなと思いました。ベンチから(の指示)。スリーツー承知で。昨日、岡田さんが(メディアに)『走れ走れ言ってるのに走らない』って言ってたから。動いてくるならここかなって自分の勝手な勘で。岸田もナイスボール投げたしね。あそこが勝負の分かれ道というか境目だったんじゃないか」
外した球で阪神の作戦がヒットエンドランでなければフルカウント。リスク覚悟で動き、経験豊富な岡田監督との頭脳対決を制した。「僕はまだ(監督)1年目ですけど、長い間、監督されている方を相手にしているので。なるほどなと思う時もたくさんありますし勉強しながら。キャッチャー目線でいつも見るようにはしてる」。一瞬の決断が接戦の分岐点になった。
前日16日は2―1で勝利したが、攻撃陣が好機で犠飛などで走者をかえす打撃ができず、バント失敗などミスが続出。「やるべきことが全くできていなかった。チャンスなのに悲壮感しか伝わってこない。『何がなんでも』みたいのも見えない」などと怒りをあらわにして引き締めた。一夜明け、ミーティングでは「強い気持ちだけ持って、あとは思い切ってやってくれ」と選手を鼓舞した。吉川、坂本が犠飛を放ち、守備では右翼・丸が本塁好返球で補殺。投手陣も懸命につないで全員が「何がなんでも」の精神で団結した。
初戦黒星の後、2試合連続1点差勝利で3連戦に勝ち越し。「うれしいです。その一言」とかみしめた。昨年は日本一の阪神に6勝18敗1分けと惨敗してカード勝ち越しが一度もなかったが、今季は5カード中4度の勝ち越しで8勝6敗1分けと白星先行。新人監督が頭を駆使して首位を死守した。(片岡 優帆)
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