1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 野球

「もう一度あのマウンドに」作新学院の“江川2世”が83球でマダックス 今春センバツ初戦敗退の雪辱だ

スポーツ報知 / 2024年7月18日 5時30分

完封した作新学院の小川哲(カメラ・松永 瑞生)

◆第106回全国高校野球選手権栃木大会 ▽2回戦 作新学院3―0栃木(17日・エイジェックスタジアム)

 栃木では、春夏計3度の甲子園制覇を誇る名門・作新学院が栃木に3―0で快勝発進した。“江川2世”の呼び声高い、今秋ドラフト候補の147キロ右腕・小川哲平(3年)が、わずか83球で1安打完封。100球未満での完封を意味する「マダックス」を達成し、集結した4球団のスカウトをうならせた。

 淡々としたマウンドさばきで、熱い直球を投げ込んだ。「迫力のあるボールが投げられたと思います」。“江川2世”の呼び声高い作新学院のエース右腕・小川哲が9回をわずか83球1安打無四球で完封。3回1死からの1安打を除き、相手に出塁すら許さない圧巻の「マダックス」で快勝発進に導いた。

 真っすぐで押す投球を貫いた。27アウトのうちの二ゴロ10個を含む15個がゴロアウト。6奪三振という結果にも「バットに当てられていたことが反省」と満足せず。本調子ではなかったことを明かした右腕だが、自慢の直球は自己最速タイとなる147キロをマーク。スライダーを織り交ぜ、栃木打線を翻弄(ほんろう)した。

 聖地での苦い思い出がきっかけだ。今春のセンバツ初戦、神村学園戦に先発した小川哲は5回4失点。チームも3―6で敗退した。「本当に悔しい結果で終わってしまった。もう一度あのマウンドに戻って自分のピッチングがしたい」と雪辱を誓った。敗退後、トレーニングを一から見直した。「まず1時間半の体幹から練習を始めて、体の使い方、フォームの確認を毎日徹底的にやった。最終回まで球速が落ちずに投げられた」と、成果をアピールした。

 小さい頃から大の野球好きだ。母・直子さんによれば、父の影響で2歳の頃から熱中。「小学生になるまで、誕生日やクリスマスのプレゼントは毎年野球道具」と当時を振り返り、頬を緩めた。ネット裏ではNPB4球団7人のスカウトが熱視線。巨人・大場スカウトは「もともと制球が良い投手。スピードも上がっているので、順調に良くなっている」と評価した。

 目標は入学してから出場できていない夏の甲子園。「今年こそは絶対に。自分のやってきた練習を出すだけなので、相手より自分との勝負」。春のリベンジ、そして3年ぶりの夢舞台へ。語り口は冷静だが、その闘志は熱く燃えたぎっている。(松永 瑞生)

 ◆マダックスとは 100球未満での完封勝利を指す言葉。抜群の制球力を誇りメジャー通算355勝を挙げたグレッグ・マダックスが、同様の完封を13度飾ったことにちなんでいる。

 ◆小川 哲平(おがわ・てっぺい)2006年5月2日、栃木・日光市生まれ。18歳。小1から野球を始め、落合東フェニックスでプレー。落合中では軟式野球部。高校では1年春からベンチ入りし、2、3年時にセンバツ出場。リフレッシュ法は温泉に入ること。184センチ、94キロ。右投右打。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください