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「オリンピックの女神が最後、ほほ笑んでほしい」競泳3大会連続五輪出場の親友へ萩野公介氏がエール

スポーツ報知 / 2024年7月19日 6時0分

21年東京五輪、全日程を終え、仲間からプールに落とされた瀬戸(左)と萩野公介さん

 競泳男子で2016年リオデジャネイロ五輪400メートル個人メドレー銅メダルの瀬戸大也(30)=CHARIS=は、パリで3大会連続の五輪に挑む。メダル獲得が期待された2021年東京五輪では本命だった同種目で予選落ち。雪辱を期す瀬戸へ、親友の16年五輪金メダリスト、萩野公介氏(29)がエールを送った。幼少から競い合ったかつてのライバルの活躍に願いを込めて、「オリンピックの女神がほほ笑んでほしい」と語った。

 萩野氏は瀬戸と小学生時代から日本一を競い合い、400メートル個人メドレーを制したリオ五輪では共に表彰台に上った。3大会連続の祭典に臨むかつての戦友に、思いを込める。

 「自分のレースに集中してほしい。その中の駆け引きや競い合いを、純粋に楽しんでほしいです」

 21年東京大会が、2人で泳いだ最後のレースになった。200メートル個人メドレー決勝で瀬戸が4位、同氏は6位。「せっかくだったら隣のレーンで泳ぎたかった」との思いはあったが、レース後のプールサイドでは「これ以上の幸せはない」と肩を組んで喜びを分かち合ったという。大会後の8月に現役引退を表明し、瀬戸は同年10月にプロに転向。迷わずパリを目指すことを決めた。

 萩野氏は明かす。

 「400メートルでの予選落ちなど、不完全燃焼の部分が多い大会だったと思うので。やる、やらないと悩むこともなく、次のシーズンに準備をしていた」

 引退後、頻繁に連絡を取り合うほどではないが、試合会場などで会えば自然と言葉を交わす。瀬戸からは「さみしい」と声をかけられることもあるが「シカトですよ(笑い)」。昨年はオーストラリアへの単身“武者修行”の際には相談に乗った。「競い合って、高め合っていくタイプ」という瀬戸にとっては、実力が抜ける国内ではパリまで孤高の戦い。そんな状況で泳ぎ続ける意義を、萩野氏はこう見る。

 「世界と戦う目を瀬戸選手が持って活躍し続けているからこそ、底上げもできる。大也が種目を引っ張っていることが大きい」

 今年3月の五輪代表選考会では、東洋大1年の松下知之(18)が初五輪切符。瀬戸・萩野世代に憧れる若手が、日本競泳界に台頭した。その背中は道しるべになった。

 パリでは、自己ベストでのメダル獲得を目指す。男子個人メドレーは、昨年世界選手権の同400メートルで4分2秒50の世界記録を樹立した地元のレオン・マルシャン(22)が最大の壁。瀬戸の自己ベストは、萩野氏の持つ日本記録(4分6秒05=16年リオ五輪)に迫る4分6秒09。日テレ系のパリ五輪中継でアスリートキャスターを務める予定の萩野氏は、マルシャンの史上初の「4分切り」の可能性に言及し「4分を切ったら、もう解説のヘッドホン投げちゃいます(笑い)。瀬戸選手には、決勝で自己ベストを出して過去の自分を超えてほしい」と願う。

 2013年のデビューから、瀬戸が世界選手権でとったメダルは金4、銀1、銅5個。萩野氏は「活躍し続けるのはすごく難しい。それを今なおやっている彼はすごい」とうなる。「やっぱり水泳が好きなんだと思う。水泳も好きだし、競い合うことが好きなんでしょうね」。かつてのライバル、そして盟友として願うことは一つだ。「だからこそ、オリンピックの女神が最後、ほほ笑んでほしい」。プールの外から、その雄姿を見届ける。(大谷 翔太)

 ◆萩野 公介(はぎの・こうすけ)1994年8月15日、栃木・小山市生まれ。29歳。“キング・オブ・スイマー”。作新学院高―東洋大卒。五輪は個人メドレーで2012年ロンドンで400メートル銅、16年リオは400メートル金、200メートル銀、800メートルリレー銅。13年日本選手権で史上初5冠。21年東京は200メートルで6位入賞し、五輪後に現役引退。日体大大学院に進学し、競泳の解説なども務める。177センチ、71キロ。

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