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照ノ富士の鋭い立ち合いが悪癖を封印している…元大関・琴風の目

スポーツ報知 / 2024年7月19日 5時35分

豪ノ山を押し出しで下し全勝を守った照ノ富士(カメラ・越川 亘)

◆大相撲 ▽名古屋場所5日目(18日・ドルフィンズアリーナ)

 2場所連続途中休場明けの照ノ富士が、盤石の内容で豪ノ山を一蹴した。突き押し自慢の相手に素早く左上手を引くと、右をおっつけて出て力強く押し出した。

 * * * *

 盤石と言える照ノ富士の横綱相撲だ。初日から5日目までの取組を改めてビデオでチェックした。初日に平戸海を苦しみながら寄り切った一番が大きかった。2日目からは電車道。隙を与えない速攻で白星を並べた。この日の豪ノ山も一気だった。低い立ち合いから踏み込んで左上手を取って走った。今場所は相手の腕を抱え込んで小手に振るシーンが一度もない。鋭い立ち合いが悪癖を封印している。

 立ち合いに注目してほしい。192センチの体が沈み込んで旅客機が離陸する時のように下から上に圧力を伝えている。幕内上位には照ノ富士のように足が長くて腰が高い力士がいる。琴桜や大の里だ。照ノ富士の立ち合いを参考にすべきだ。

 今場所は相変わらず大関陣が不調。関脇と小結も星を伸ばしていない。それでも荒れた印象を与えないのは照ノ富士が結びを締めているから。これが横綱というものだろう。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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