「考えすぎている」巨人・阿部監督が悩める坂本に大胆指令 「ユーチューブずっと見て」打撃分析

名古屋へ移動した阿部監督（カメラ・宮崎　亮太）

　巨人の阿部慎之助監督（４５）が１８日、坂本勇人内野手（３５）に「開き直りのススメ」を説いた。打撃不振による２軍調整から１２日のＤｅＮＡ戦（東京Ｄ）で再昇格後、犠飛で１打点は挙げたが９打席、８打数無安打。「考えすぎている」と分析し、完全復活を願って熱いエールを送った。

　１９日からの中日３連戦（バンテリンＤ）に向けて新幹線で名古屋に移動した阿部監督。報道陣に自ら「勇人はどうしたら打てる？」と切り出した。「昨日、勇人の若い時のユーチューブをずっと見てたの。バッティング。（今と）何が違うんだろうなって」と動画で研究したといい、その上で「客観的な意見ってすごい大事で」と多角的に考えるために逆質問した。

　記者からメンタル面を指摘する声が出ると、うなずいて続けた。「相手を考えさせることができていないのかなっていうのは、オレが思っていること。自分（のこと）ばかり考えちゃって」。対投手ではなく自分自身との闘いになっていると指揮官は見ている。

　１軍再昇格後、チーム６試合中スタメンは２度。試合前練習から試行錯誤する姿を見る阿部監督は、自身の現役時代の不振時を「思い切り開き直るしかない」と回想。「とにかく変化球を待ったりしないとか。とにかく真っすぐ（に絞って待つ）とか。それくらいしかないよね」と割り切りも必要との考えを示した。

　現役時代、坂本が１０代の頃から自主トレを一緒に行ってきた。まな弟子が本来の打撃を取り戻し三塁に定着すれば、一塁・大城卓、左翼・岡本和、球宴明けから１軍合流見込みのモンテスが遊撃の超攻撃型布陣も可能になる。「本当は開き直っちゃいけないんだけどね。プロだから。技術を追求してほしいんだけど、そういう時も必要」。今後の勝負どころに不可欠な存在と考えるからこそ、阿部監督も懸命に坂本復活の糸口を探している。（片岡　優帆）