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五輪出場辞退の体操19歳エース、喫煙と飲酒は1度ずつ 「かなり憔悴していた」協会幹部が現状明かす

スポーツ報知 / 2024年7月20日 5時0分

協会の会見の冒頭、謝罪する(左から)原田日本代表コーチ、西村専務理事、藤田会長(カメラ・清水 武)

 日本体操協会は19日、都内で会見し、パリ五輪女子日本代表のエースで主将の宮田笙子(19)=順大=に、飲酒と喫煙が確認されたため、五輪代表を辞退したことを発表した。日本協会の行動規範に反したため。日本オリンピック委員会(JOC)も「辞退届」を受理し、認めた。過去、同様のケースが確認できない“前代未聞”の辞退劇。女子予選を8日後に控える中、日本は1人少ない4人での厳しい戦いを強いられることになった。体操界にとどまらず、衝撃が広がった。

 宮田の姿はないまま衝撃の発表となった。緊急会見の冒頭。西村賢二・専務理事の口から「五輪への出場辞退」が伝えられた。「(宮田は)神経を使い、かなり憔悴(しょうすい)していた。真摯(しんし)に向き合う姿勢が印象的だった」と、ロイター通信など海外メディアも含む約60人の報道陣の前で明かした。本人は都内での喫煙1度と、日本トップレベル競技者施設のナショナルトレーニングセンター(NTC=宿泊棟)での飲酒1度を告白したという。

 発覚は15日に強化本部に入った内部通報による情報提供だった。調査のため、宮田はモナコでの事前合宿を離脱し、18日に帰国。日本女子の主将兼エースとして、パリ五輪で活躍が期待された19歳は、6月末~7月にかけて喫煙と飲酒を1度ずつ行ったことを認めた。現在、成人は18歳だが、喫煙と飲酒は20歳以上。また、同協会の行動規範にも反した。日本協会の藤田直志会長は「責任を深く感じている。顧問弁護士に法的にしっかり問題ないものと確認した。協会全体の問題」などと謝罪。28日からの本番を目前に衝撃が走った。

 日本協会が定める「行動規範」には、日本代表チームの活動の場所において、喫煙は原則的に20歳以上も(16年度から数年かけて段階的に全面)禁止、飲酒も打ち上げやパーティーなどで監督の許可を得た場合を除き、20歳以上も禁止と明記されている。28日からの女子予選までは残り8日。登録期限を過ぎ、補欠の杉原愛子(24)の繰り上げはできず。情報提供からわずか5日で苦渋の決断が下された。けがや病気を除き、一度認定した選手の辞退は、JOCも「過去におそらくない」と話す異例の事態だ。

 21年東京五輪以降、世代交代が一気に進んだ日本女子体操界で「次期エース」として、けん引してきた。西村専務理事によると宮田は「数々のプレッシャーなどもありながら、そのような行為をしてしまった」と吐露したという。藤田会長は「犯した罪は改めないといけない」と厳しく指摘しつつ、「将来に向けて、新しい第一歩を踏み出していただくために、サポートしていく」と約束。最後には立ち上がり「裏切ってしまった。本当に申し訳ない。現場の選手は一生懸命やっている。温かい厚情を心からお願いしたい」と涙を流して懇願した。日本女子はエースを欠いたまま大舞台に臨む。

 ◆会見出席者 藤田直志・日本体操協会会長、西村賢二・日本体操協会専務理事、原田睦巳・順大監督(日本代表コーチ)、山口明彦弁護士、谷原誠弁護士

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