中谷潤人の親友アンソニー・オラスクアガ 加納陸に3回KO勝ちで新世界王者
スポーツ報知 / 2024年7月20日 19時25分
◆プロボクシング ▽WBO世界フライ級(50・8キロ以下)王座決定戦12回戦 〇同級3位アンソニー・オラスクアガ (3回KO) 同級2位・加納陸●(7月20日、東京・両国国技館)
WBO世界フライ級王座決定戦は、同級3位アンソニー・オラスクアガ(米国/帝拳)が同級2位・加納陸(大成)に3回KO勝ち。新王者となった。
戦績は25歳のオラスクアガが7勝(5KO)1敗、26歳の加納が17勝(8KO)4敗1分け。
初回から強烈なパンチを打ち込んだオラスクアガ。3回、右を打って誘い出すと、強烈なフックを浴びせてダウンを奪った。加納は10カウントで立ち上がれず、2分50秒、オラスクアガがKO勝ちした。
最強の「Princesa(お姫様)」の誕生だ。誰からも愛されることからプリンセサのニックネームがついたオラスクアガがついに頂点に立った。8年ぶりの世界挑戦だった加納を退けての戴冠。「世界チャンピオンってこんなに速くなれるなんて。とても幸せです」と笑顔を見せた。
「潤人が残したものを手にすることができた」。15歳の時から一緒に切磋琢磨(せっさたくま)してきた親友のWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M・T)がかつて保持していたWBOフライ級のベルトを、オラスクアガは実力で譲り受けた。
試合までは100ラウンド近いスパーリングで腕を磨いた。サウスポー対策も行った。「スピードを生かして最初から激しく行こうと思った。相手をコントロールできるように、インファイトでもアウトボクシングでも、どんな展開でも集中できるようにした」という。
ルディ・エルナンデス・トレーナーの下で力をつけたオラスクアガは20年9月にプロデビュー。23年4月には、WBA&WBC世界ライトフライ級統一王者・寺地拳四朗(BMB)に挑戦し9回TKO負け。それでも強打を駆使して激しい打ち合いに臨み、王者を圧倒する場面も演出した。昨年9月には東京・有明アリーナでジーメル・マグラモ(フィリピン)に7回TKO勝ち。かつて中谷と世界王者を争った強豪を打ち破り、世界への道へつなげた。
来日後は中谷家に滞在。中谷の母・府見子さんに食事を作ってもらうなどサポートを受けた。「潤人と2人で世界王者になりたかった。夢がかないました」。オラスクアガがついに夢をかなえた。
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