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著書に「猛暑対策BOOK」筑波大准教授が教える「熱中症対策3か条」 過去最高レベルの猛暑

スポーツ報知 / 2024年7月21日 6時0分

暑さ対策について語る筑波大の藤井直人准教授

 今年の夏は昨年を更新する過去最高の暑さになる可能性が高まっている。年々高まる暑熱地獄に、我々は熱中症などの諸症状からどう身を守るべきなのか。「猛暑対策BOOK」(小学館)などの著書がある、運動生理学が専門の筑波大・藤井直人准教授(43)に聞いた。(樋口 智城)

 「まずは自分の体を知ることです」。藤井さんはそう言って、自己管理の大事さを強調した。「熱中症対策といっても人それぞれ体が違う。『これをやりさえすればいい』などといった統一したものはないのです。例えば毎朝体重を量り、きょうは減った分の水分を補給するとか、こまめに体調と向き合うことが必要」。その上で、熱中症対策への注意点として3つを挙げた。

 〈1〉無理のない暑熱順化

 「体を暑さに慣らし、発汗や血流といった熱放散の機能を向上させる方法。これは結構すぐ効き目があります。暑熱下でジョギングを1時間やれば、翌日には慣れてかなり楽になることもあります。ただ1時間も走るのは普通は難しい。初めはジョギング30分から始めて1週間続けるとか、徐々に慣らしていくのが効果的かもしれません。こちらも無理せず自分の体と相談して慣らしていくことが大事です」

 〈2〉水分は必要だが取り過ぎない

 「塩分を含まない真水を飲み過ぎると『低ナトリウム血症』を引き起こすことがあります。血液中のナトリウム成分が少なくなることで起こる症状。めまいや頭痛、疲労感などの症状があり、重症になると、けいれんを引き起こしたりします。水分は発汗の分だけ適切に取るのが理想。トイレに何度も行きたくなったら過剰飲水のサインです。もし飲むなら、スポーツドリンクなど塩分が含まれているものが最適ですね。発汗で失う塩分を取ることも重要なんですが、実は1日に必要なものは普通の食事で十分まかなえます。3食きっちり取っていれば大丈夫。朝ご飯をしっかり取るだけでも、熱中症予防になります」

 〈3〉暑さ対策グッズを過信しすぎない

 「グッズはいろいろあるが、基本、気休めと思っていてください。熱中症対策は、体の中の温度=深部体温を下げることが必要。体全体を冷やさなければいけません。首かけ小型扇風機、熱を冷ますシート、冷却スプレーなどのグッズは、感覚的な冷感が得られて気持ちが楽になるから悪くはないのですが、どれも部分的な冷却です。根本的な熱中症対策効果はあまりない。さらに、帽子は直射日光の影響を緩和する効果があるのですが、同時に頭からの熱放散を妨げてしまうので、不快だと思ったら、ときおり脱ぐことも大切です」

 消防庁によると、23年5~9月に全国で熱中症で搬送された人は9万1467人。前年比2万438人増だった。暑さに強い体作りと、しっかりした体調管理、そしてモノに頼りすぎない姿勢が必要と言えそうだ。

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