山中慎介氏、世界４位倒した神童の左を絶賛「威力が光った」 ベルト挑戦へも期待「タイトルを取る時期は来た」

３回TKO勝利の那須川天心はガッツポーズで引き揚げる　（カメラ・堺　恒志）

◆プロボクシング　▽契約体重５４・４キロ以下１０回戦　ＷＢＡ世界バンタム級７位・那須川天心―同級４位・ジョナサン・ロドリゲス（２０日、東京・両国国技館）

　ＷＢＡ世界バンタム級７位の那須川天心（２５）＝帝拳＝は、初の１０回戦で同級４位のジョナサン・ロドリゲス（２５）＝米国＝を３回１分４９秒ＴＫＯで破り、キックボクシングから転向後４連勝を飾った。

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　今回の天心は文句のつけようのない内容だった。世界４位のロドリゲスに何もさせない完勝。特に光ったのが、過去３戦では見られなかった左の威力だ。パンチを出す際に相手に向かって踏み込むのだが、あそこまで接近してパンチを打つ姿は初めて見た。踏み込みが鋭い分、拳にもウェートが乗りパワーパンチが打てる。私も左ストレートを思い切り踏み込んで打っていた一人として、手応えのある左は大きな自信になり、またひと皮むけたと思う。天心のセールスポイントはフットワークと常々口にしてきたが、この日は足を使う必要がないほどロドリゲスを圧倒していた。

　この試合に向け海外から現役世界ランカーのスパーリングパートナーを招へいしている。実力派の選手に始めはてこずりながらも、ラウンドを重ね最後は互角以上に渡り合っていた。その成果がこの試合でしっかりと証明された形だ。

　リング上で本人も口にしていたが、ファンは天心にタイトル戦を期待している。世界への挑戦だろうが、まずはその挑戦資格を得るための地域タイトルへ挑むはずだ。初タイトルを取る姿を私自身も見てみたいし、その時期は来たと思う。（元ＷＢＣ世界バンタム級王者・山中　慎介）